研究課題/領域番号 |
07557095
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 試験 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
生塩 之敬 熊本大学, 医学部, 教授 (20028583)
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研究分担者 |
杉本 芳一 大鵬薬品工業(株), 創薬センター・第一がん研究所, 研究員
西 徹 熊本大学, 医学部附属病院, 助手 (00264309)
河内 正人 熊本大学, 医学部, 講師 (70178218)
倉津 純一 熊本大学, 医学部, 助教授 (20145296)
佐谷 秀行 熊本大学, 医学部, 教授 (80264282)
竹島 秀雄 熊本大学, 医学部, 助手 (70244134)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
16,100千円 (直接経費: 16,100千円)
1996年度: 7,300千円 (直接経費: 7,300千円)
1995年度: 8,800千円 (直接経費: 8,800千円)
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キーワード | 電気遺伝子療法 / 生体内電気穿孔法 / 脳腫瘍 / プラスミドDNA / lacZ遺伝子 / human MCP-1遺伝子 / ケモカイン / MCP-1遺伝子 / hMCP1 |
研究概要 |
本研究の主目的である腫瘍組織に対する特異的かつ高効率の遺伝子導入法確立は、ほぼ達成された。我々は、これまでにない試みとして腫瘍周囲に置いた電極間の生体内電気穿孔法とプラスミドDNAの腫瘍栄養動脈内投与を組み合わせた「電気遺伝子導入法」開発し、これを用いた遺伝子治療法を「電気遺伝子療法」(electro-genetherapy)と命名した。まず、大腸菌lacZ遺伝子とhuman MCP-1遺伝子をマーカーとして、ラット実験脳腫瘍に対する遺伝子導入法を確立した。この遺伝子導入法は、非常に効率よく、移植腫瘍組織特異的な遺伝子導入を可能とした。動脈内に注入されたプラスミドDNAは、電気穿孔を行った部位外の組織には導入されなかった。生体内電気穿孔による神経学的、組織学的な副作用は認められなかった。Epstain-Barr Virusのepisomal replicon systemを使用することにより、導入された遺伝子は少なくとも3週間発現していた。 この方法を用いた治療として、我々の研究室で発見されたchemokine遺伝子;Monocyte Chemoattractant Protein-1(MCP-1)を用いた実験を行った。MCP-1はmonocyteに対して遊走を刺激するだけでなく、Tリンパ球に対しても遊走能を有しており、免疫の初期のステップでも働きを有する可能性が示唆されている。ラット実験脳腫瘍内にhuman MCP-1遺伝子を導入・発現することによって、多量の免疫担当細胞が腫瘍組織内に誘導された。特に、TRPM-3陽性浸出マクロファージが多量に認められた。更に、CD8陽性Tリンパ球の組織内浸潤も著明であった。長期生存ラットの脳組織検査では腫瘍は消失し、大きな腔となり周囲には多くの免疫担当細胞の浸潤が確認された。また、ラット両側側復部に腫瘍を移植し、片側にのみMCP-1を導入した結果、導入側のみならず対側の腫瘍も縮小する傾向が見られ、多量のMCP-1発現は腫瘍の免疫につながる可能性があると考えられた。
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