研究分担者 |
巽 英介 国立循環器病センター研究所, 人工臓器部, 室長 (00216996)
中谷 武嗣 国立循環器病センター研究所, 生体工学部, 室長 (60155752)
妙中 義之 国立循環器病センター研究所, 人工臓器部, 部長 (00142183)
高野 久輝 国立循環器病センター研究所, 副所長 (60028595)
増澤 徹 国立循環器病センター研究所, 人工臓器部, 室員 (40199691)
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配分額 *注記 |
8,200千円 (直接経費: 8,200千円)
1997年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1996年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1995年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
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研究概要 |
1.本年度は本研究の最終年度として,肺内フロロカーボン留置人工呼吸法の臨床応用を想定した大動物による慢性実験を施行し,本呼吸法の呼吸維持能力の評価,全身への影響及び臨床使用上の留意点の検討を行った. 2.実験方法:体重50Kgの成山羊を用いて片肺呼吸不全モデル(オレイン酸を使用)を作成した.このモデルに対して両肺に計30ml/Kgのフロロカーボンを経気管的に注入,留置し60分間のPartial Liquid ventilationを施行した.麻酔覚醒後に抜管し,以後自発呼吸にて管理した.4週間後に犠死せしめた. 3.結果:(1)本呼吸法施行中の血行動態,呼吸状態を検討したが,特に変動を認めず,管理に難渋する点は認められなかった. (2)血液ガス分析所見上は,本呼吸法開始5分後に軽度の動脈血酸素分圧の低下を認め,以後徐々に低下を認めたが,臨床的には十分許容しうる範囲内に留まっていた.抜管後も良好に維持しえた. (3)本呼吸法施行中,施行後の血液生化学的検討を行った.白血球数,免疫グロブリン,補体は肺障害の範囲内の推測される範囲内の変化にとどまった.赤血球数,ヘモグロビン濃度も特に著変は認めなかった.肝腎機能上においてもLiquid ventilationによると推測される変化は認めなかった.その他実験後4週間の管理中に全身所見の上で特記すべき異常所見を認めなかった. (4)病理学的検討:剖検時マクロ所見では全身の臓器に特記すべき所見は認めなかった. 4.総括:大動物を使用したPartial Liquid ventilationの慢性実験を施行した.血行動態,呼吸状態その他全身の状態の面で特に問題なく管理しえた.今後は臨床使用に向けて更なる作用機序の解明,長期間のLiquid ventilationの安全性や適応とする疾患,患者の状態に関して多方面からの検討が重要であると考えられる.
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