研究課題/領域番号 |
07557104
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
庵谷 尚正 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (50232145)
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研究分担者 |
相田 聡 株式会社東芝医用機器, システム技術研究所, 主査(研究職)
星 宣次 東北大学, 医学部, 助教授 (80107200)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
21,100千円 (直接経費: 21,100千円)
1997年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1996年度: 6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
1995年度: 11,900千円 (直接経費: 11,900千円)
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キーワード | 集束強力超音波 / 非侵襲的癌治療 / HIFU / キャビテーション / 位相差駆動法 / CAST / 空洞形成 / Cavitation Suppression Technique / 加熱 / 癌治療 / キャビテーション抑制 / 超音波 / 癌 / 治療 / 高温 |
研究概要 |
集束強力超音波を用いた非侵襲的高温度癌治療システムを構築する目的で、本法の生体への影響を検討し、至適な加熱条件が得られるように超音波発生装置の改良を行った。超音波源には直径約10cmのピエゾ素子をもちいた。従来からの単一周波数の連続波を単回用いると400W以上では臓器の種類を問わず、約1秒以内に焦点部は80〜100℃に加熱することができ、組織学的には焦点に一致して組織構築がたもたれた凝固壊死巣とこれを囲む組織構築のみだれた輪状の領域があり、正常部分とは明瞭に区別できた。しかし、連続して複数回の加熱を行うと超音波伝達路に生じたキャビテーションにより焦点の温度上昇は不良となり、変性領域は音源側にシフトして計画通りの加熱が不能であった。このため、発生したキャビテーションに対し周波数変調した波形を加えることで消去する技術(Cavitation Suppression Technique(CAST))を考案した。この方法により連続複数回の加熱でも予定通りの加熱領域が得られた。実際にマウス皮下腫瘍や、家兎の膀胱後壁の腫瘍に対して治療実験を行い、キャビテーション発生しやすい条件でも有効な加熱が可能であることが証明できた。しかし、これらの照射方法では非常に焦点が絞られており、大きな腫瘍を治療することは容易でない。また、焦点が絞られていることは短時間で焦点部を加熱できる利点はあるが、焦点強度が強いため、肝、腎で突沸による組織の空洞形成が認められた。これらの問題を解決するため、新たに振動子を12の部分に分割し、隣接する振動子を2グループに分け、超音波の位相をずらす位相差駆動法を導入し、横径約10mmの焦点領域を得ることができるようになった。本駆動法は肝のような脆弱な臓器では有用と考えられる。腫瘍の治療実験では、腫瘍モデルの関係でいまだ検討途中であるが、加熱により微小動脈も閉塞するとの観察から、腫瘍周囲から加熱することが有効と考えられた。また、本法の腫瘍免疫的な優位性について検索すべく、組織学的な検討を続行している。
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