研究概要 |
本研究は,研究代表者の一連の電気的根管長測定法に関する研究の過程に位置するものである.当初の予定通り,ニッケルチタンファイルによる自動根管形成のためのハンドピ-ス「トライオートZX」の開発に成功し,モリタより商品化することができ,平成8年の3月から一般にも発売された.国内はもとより,海外からの引き合いも多く,米国でも高く評価されている. 我々の,この3年間の大部分の努力は,使いやすくファイルを折らないための自動機構を備えた器械の開発と,ファイルを折らないための術式の開発に費やされた.ファイルを折らないための自動機構としては,Auto-torque-reverse機構を考察した.エンジンとニッケルチタンファイルによる根管形成の最大の問題はファイルの破折である.ニッケルチタンファイル自体発展途上にあり,毎年改良を加えた新しいものが市場に現れている.これらのファイルの中から最も優れたものを選び出し,そのファイルに対応した器械の開発と,そのファイルに最適な術式が必要とされる. 現在までの我々の回答は,Tulsa社のProFileの.04,.06taper,あるいはOrifice Shaperであり,術式としてはクラウンダウン法である.ファイルの動かし方は,pecking motionとすることによって,大幅にファイル破折の危険を避けることができるようになった.我々は,今後とも,器械および術式の改良に取り組む所存である.
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