研究課題/領域番号 |
07557143
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
物理系薬学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
桐野 豊 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (10012668)
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研究分担者 |
浜岡 勤 富士写真フィルム(株), 機器事業本部, 部長(研究職)
平嶋 尚英 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (10192296)
川原 茂敬 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (10204752)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
13,500千円 (直接経費: 13,500千円)
1997年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1996年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1995年度: 7,900千円 (直接経費: 7,900千円)
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キーワード | 膜電位感受性蛍光色素 / 異質平面膜 / 冷却CCDカメラ / 高速差分増幅式カメラ / ナメクジ中枢神経 / 嗅覚-味覚連合学習 / 膜電位感受性色素 / 水平平面膜 / シングルホトダイオードカメラ / 表面電荷 / ナメクジ神経細胞 |
研究概要 |
1.システムの改良:これまで、平面脂質二重膜に結合した膜電位感受性色素の蛍光をシングルホトダイオードカメラで測定していたが、これをノイズが小さく、受講面が大きくて高感度な冷却CCDカメラ(アストロカム社、KAF1400)に換えたところ、明確に、蛍光強度の膜電位依存性が測定できるようになった。従来より、神経節等の膜電位測定に経験的によく用いられてきた色素であるDi-4-ANEPPSは、膜電位に対する蛍光強度変化が大きいものであることが確認できた。 2.生体膜への応用:感覚器(嗅覚器としての大小触覚、あるいは、味覚器としての唇)を付けて切り出したナメクジの脳を膜電位感受性蛍光色素Di-4-ANEPPSで染色し、膜電位の時間的空間的パターンの変化を高速差分増幅式カメラ(富士写真フィルム、Deltaron 1700)により測定した。大触角に匂いを与えると、匂いの種類によらず、脳神経節前脳部の膜電位振動の周波数が増大した。小触覚に匂いを与えると、ナメクジが好む食物の匂いの場合には振動数が増大し、ナメクジが忌避する物質の匂いの場合には振動数が減少した。また、ナメクジが忌避する味物質を唇に適用したときには、前脳の膜電位が強く過分極方向にシフトした。更に、小触角に嗅覚-味覚連合学習により忌避性となった食物の匂いを与えた後の数秒間、特異的な興奮性を示す一群の細胞が存在することが見出された。このように、本研究で開発された膜電位感受性蛍光色素を用いる膜電位の光学的測定法は、脳における味覚・嗅覚情報処理機構や学習・記憶の機構に極めて有用な実験手法となることを示すことが出来た。
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