研究課題/領域番号 |
07557147
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
生物系薬学
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
有賀 寛芳 北海道大学, 薬学部, 教授 (20143505)
|
研究分担者 |
有賀 早苗 北海道大学, 医療技術短期大学部, 教授 (90184283)
上田 政次 YSニューテクノロジー研究所, 所長
上田 正次 雪印乳業(株), 生物科学研究所, 主任研究員
|
研究期間 (年度) |
1995 – 1997
|
研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
|
配分額 *注記 |
13,600千円 (直接経費: 13,600千円)
1997年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
1996年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
1995年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
|
キーワード | MYC / アデノウイルス / ベクター / 熱ショックタンパク / 転写 / DNA複製 / c-myc / DNA複製開始 / 結合タンパク質 / 癌遺伝子 / DNA結合 / 転写因子 / 発現ベクター / 細胞周期 |
研究概要 |
アデノウイルス、P1ファージCre/loxP系、および動物細胞DNA複製開始配列を組み合わせたベクターの作製については、基礎実験として発現アッセイの容易なβ-ガラクトシダーゼ遺伝子(β-gal)をリポーター遺伝子として用いた。β-gal遺伝子をサイトメガロウイルス(CMV)由来の強力なプロモーターの制御下に置き、polyAシグナルを付加してから、動物細胞DNA複製開始配列myc(H-P)21、HSPMYC-B、Octamer、またはポジティブ・コントロール実験用にSV40ウイルスDNA複製開始点(SVori)のいずれかと連結した。全体の両端に大腸菌P1ファージ由来loxP配列を1コピーずつ同方向につなぎ、これをさらに、アデノウイルス2型(Ad2)のゲノムDNAに組み込んで、β-ガラクトシダーゼを発現する環状分子生成組換えアデノウイルス2x(loxP)-Adex-gal4種を構築した。これとは別に、Creタンパク質を発現させるために、P1ファージ由来Cre遺伝子にCMVプロモーターおよびpolyAシグナルを連結して、やはりAd2DNAに組み込んだAdex-Creを作製した。2x(loxP)-AdexおよびAdex-Creは、アデノウイルスの複製・転写タンパク質E1AおよびE1Bの遺伝子を欠いているので、構築後これらの遺伝子だけを通常の細胞に導入してもウイルス粒子を形成できない。そこで、E1AおよびE1Bを発現しているヒト293細胞に導入してウイルス粒子を形成させて回収した。 先ず、コントロール実験としてSV40ウイルスDNA開始点(SVori)を2つのloxP配列間に持つ環状分子生成組換えアデノウイルス2x(loxP)-Adex-gal-SVについて検討した。SV40ウイルスDNAは同ウイルスのT抗原に依存して複製するので、T抗原を発現しているサルCOS細胞内ではSVoriからの複製が起こる。293細胞から回収した環状分子生成組換えアデノウイルス2x(loxP)-Adex-gal-SVとCre発現組換えウイルスAdex-Creを同時にCOS細胞に感染させたところ、β-ガラクトシダーゼを発現する環状分子のエピゾ-マルな複製が観察された。 次に、ヒトc-myc遺伝子上流、またはヒト熱ショックタンパク質hsp70遺伝子上流に我々が同定したDNA複製開始配列myc(H-P)21、HSPMYC-Bをそれぞれ含む環状分子生成組換えアデノウイルス2x(loxP)-Adex-gal-myc、2x(loxP)-Adex-gal-hspをそれぞれCre発現組換えウイルスAdex-CreとともにヒトHeLa細胞に感染導入した。その結果、2x(loxP)-Adex-gal-myc、2x(loxP)-Adex-gal-hspいずれの導入細胞においてもβ-ガラクトシダーゼを発現する環状分子のエピゾ-マルな複製が観察された。複製分子のコピー数は、ウイルス由来のSVoriのCOS細胞におけるT抗原依存的複製と比較すると>3オーダー低く、1細胞あたり数コピーからせいぜい数十コピーであった。これはmyc(H-P)およびHSPMYC-B配列が正常細胞DNA複製開始配列であることを反映してのことと考えられる。
|