研究課題/領域番号 |
07557152
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
名取 俊二 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (50012662)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
9,400千円 (直接経費: 9,400千円)
1997年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1996年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1995年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
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キーワード | 抗菌ペプチド / 昆虫 / MRSA / 抗菌剤 / 感染防御 / D-エナンチオマー / α-ヘリックス / 活性ドメイン |
研究概要 |
センチニクバエの抗菌性蛋白ザ-ベシンBを改変して、より優れた抗菌活性を示すペプチド、KLKLLLLLKLK-NH_2を作出した。そこで、マウスにMRSAを感染させ、in vivoで治療実験を行ったところ、ほぼ完全に感染を防御することがわかった。この原因を究明した結果、KLKLLLLLKLK-NH_2には、強い好中球活性化作用があることが判明した。すなわちヒト好中球にKLKLLLLLKLK-NH_2を添加すると強い活性酸素(O_2^-)の産生が認められ、その産生能はフォルボールエステル(PMA)並であった。この事実は、好中球上に非常に特異性の高いKLKLLLLLKLK-NH_2に対するリセプターが存在することを示唆する。 つぎに、KLKLLLLLKLK-NH_2の構造活性相関を明らかにすることを目的として実験をおこなった。まず、KLKLLLLLKLK-NH_2の中間部のLの数を5個から4個、3個に減少させたペプチドをそれぞれ作成し好中球の活性酸素産生量を測定したところ、Lの数を減少させたペプチドでは、まったく活性酸素は産生されず、中間部のLの数が5個であることが好中球の活性化に大変重要であることがわかった。また、N末端のKをLに、C末端のKをLに変換したペプチドをそれぞれ合成して、同様の活性を測定したところ、後者のペプチドでは顕著に活性が減少したことから特にC末端側のKが活性に重要であることが明らかとなった。これらの構造活性相関のデータを詳細に解析することで、さらなる有効な生理活性を示すペプチドの作出が可能となると考えられる。
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