研究課題/領域番号 |
07557153
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 試験 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
榎本 武美 東北大学, 薬学部, 教授 (80107383)
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研究分担者 |
奥山 彬 萬有製薬, つくば研究所, ディレクター
関 政幸 東北大学, 薬学部, 助手 (70202140)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
13,600千円 (直接経費: 13,600千円)
1996年度: 5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
1995年度: 8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
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キーワード | DNA複製 / DNAヘリカーゼ / DNA依存性ATPase / 阻害剤 / スクリーニング / 抗癌剤 / 哺乳類細胞 |
研究概要 |
本研究は哺乳類細胞のDNA複製に関与するDNAヘリカーゼを同定し、このヘリカーゼ活性を特異的に阻害する阻害剤のスクリーニング系を開発し、新たな抗癌剤開発の基礎を提供しようとしたものである。 1、マウスの細胞のDNA複製の温度感受性変異株、tsFT848細胞では、我々がDNAヘリカーゼBと名付けたヘリカーゼの活性の低下とDNA複製の低下が相関する。 2、tsFT848細胞のDNAヘリカーゼBは野生株の酵素に比べ温度感受性になっている。 3、tsFT848細胞のDNAヘリカーゼBの724番目のアミノ酸がフェニルアラニンからシステインに変わっている。 4、DNAヘリカーゼBはDNA上でプライマーゼと相互作用し、プライマーゼ活性を促進する。 5、DNAヘリカーゼBはcell-freeのDNA複製系でヘリカーゼとして機能する。 6、DNAヘリカーゼBに対する抗体を使ってその局在を調べるとDNA複製の場に局在する。 以上の結果より、DNAヘリカーゼBがDNA複製に関与するDNAヘリカーゼであることを明確に示すことができた。 一方、スクリーニング系の開発では、DNAヘリカーゼ活性をDNA依存性ATPase活性に置き換え、96穴のプレートで吸光度によりATPase活性を測定することにより一度に多数の検査体を処理できる系を確立した。そこで、この系に用いるDNAヘリカーゼBを安定に供給するためDNAヘリカーゼBの大量発現系の構築を試みた。しかし、試した大腸菌や酵母の発現系ではDNAヘリカーゼBをうまく発現させることはできなかった。現在ヴァキュロウイルスの発現系を検討中である。 本研究では哺乳類細胞のDNA複製に関与するDNAヘリカーゼの阻害剤のスクリーニングには至らなかったが、本研究により阻害剤の標的が明確になり、スクリーニング系が開発されたことから、新たな抗癌剤開発ための基礎はできたと思われる。
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