研究課題/領域番号 |
07557160
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
工藤 一郎 昭和大学, 薬学部, 教授 (30134612)
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研究分担者 |
北口 暢哉 旭化成工業株式会社, ライフサイエンス基礎研究所創薬化学研究室, 室長
大石 幸子 北里大学, 薬学部, 教授 (70050416)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
15,000千円 (直接経費: 15,000千円)
1997年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1996年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1995年度: 7,300千円 (直接経費: 7,300千円)
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キーワード | 肥満細胞 / 好中球 / アラキドン酸代謝 / マクロファージ / ホスホリパーゼA_2 / シクロオキシゲナーゼ / プロスタノイド / PAF / サイトカイン / ホスホリバーゼA_2 / 即時相 / 遅発相 |
研究概要 |
本研究は、肥満細胞、好中球、マクロファージ等の血球系細胞をモデル系に、アラキドン酸代謝系の制御の全貌の解明を目指し、1995年度から1997年度の3年間に渡って行なわれたものである。 【1】肥満細胞におけるアラキドン酸代謝:哺乳動物細胞に広く一般に認められるアラキドン酸代謝の異なるフェーズ(即時相、遅発相)におけるホスホリパーゼA_2(PLA_2)及びシクロオキシゲナーゼ(COX)の機能的連関について、骨髄由来培養肥満細胞(BMMC)とラット腹腔肥満細胞(CTMC)をモデル系として検討し、以下の結果を得た。(1) IgE/抗原やサイトカイン刺激に応じた即時相では、細胞質PLA_2(cPLA_2)とCOX-1の両常在性酵素の機能連関によって、一過的にPGD_2が産生された。(2)即時相に続いて起こる遅発相では、cPLA_2と誘導型COX-2の機能連関により持続的にPGD_2が産生された。遅発相と並行して分泌性PLA_2(sPLA_2)分子種のひとつであるsPLA_2-IIAの発現が誘導され、COX-2の発現の増強に寄与した。(3)先天的にsPLA_2-IIAを欠損するマウス由来BMMCを用いた解析により、新規sPLA_2分子種であるsPLA_2-VがsPLA<SUB>2</SUB>-IIAの機能を代替する可能性を示した。(4)肥満細胞の脱顆粒に伴って、PLA_2分子種のひとつである分泌型PAFアセチルハイドロラーゼが細胞外に放出され、肥満細胞自らが産生したPAFを速やかに分解することを見出した。また、PAFアセチルハイドロラーゼの発現が特定のサイトカインによって誘導されることが確認され、肥満細胞の抗炎症的側面が明かとなった。 【2】好中球におけるアラキドン酸代謝:(5) cPLA_2がfMLPやザイモザン刺激に応じた即時的アラキドン遊離とそれに続くLTB_4産生、及びPAF産生に関与することを明らかにした。(6) cPLA_2の活性化にホスホリパーゼDが関与することを見出した。 【3】マクロファージにおけるアラキドン酸代謝:(7)ラット腹腔マクロファージをA23187刺激すると常在型cPLA_2/COX-1経路を介してTXA_2が(即時相)、LPSで刺激するとcPLA_2とsPLA_2-IIAが協調的に誘導型COX-2と連関してPGE_2が(遅発相)産生されることを見出した。(8)あらかじめLPCで刺激した細胞を二次的にA23187で刺激すると、cPLA_2/COX-2経路を介してPGE_2が産生された(プライミング相)。(9) COX-2と連関するPGE_2合成酵素が誘導型酵素であることを見出した。 【総括】以上の研究を通じて、それぞれの常在型または誘導型代謝酵素郡がアラキドン酸代謝の異なるフェーズで選択的にカップリングし、細胞、刺激、またはフェーズ特有のプロスタノイド産生が調節されているものと考えられる。
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