研究課題/領域番号 |
07557170
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 試験 |
研究分野 |
応用薬理学・医療系薬学
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研究機関 | 山形大学 (1996-1997) 東北大学 (1995) |
研究代表者 |
石井 邦明 山形大学, 医学部, 助教授 (10184459)
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研究分担者 |
布木 和夫 東北大学, 医学部, 講師 (10172743)
平 則夫 (文部省)学位授与機構, 教授 (60004553)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
12,100千円 (直接経費: 12,100千円)
1996年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
1995年度: 6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
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キーワード | K^+チャンネルクローン / 抗不整脈薬 / キニジン / MS-551 / ベラパミル / Herg / サブユニット / 内向き整流 |
研究概要 |
心筋細胞のネイティブなK^+チャンネルとK^+チャンネルクローン(Kvファミリー)とでは、抗不整脈薬の影響は全く異なっている。その原因を明らかにすること、さらにその後クローンを用いて、ネイティブのK^+電流を発現系に再構築し色々な薬物の各種K^+チャンネルへの作用の解析を容易にすることを目的として本研究を計画した。当初Kvファミリーの薬物感受性に影響を与えるような分子が欠如している可能性を考え、その探索を試みた。しかし、暫くして家族性QT延長症候群の原因遺伝子として、心筋のI_<kr>とI_<ks>を流すチャンネルをコードする遺伝子が明らかにされた。代表的な第3群抗不整脈薬の作用対象はI_<kr>であるため、本研究においてもKvファミリーではなく、特にI_<kr>の責任分子であるHergチャンネルを扱うこととし、Herg電流に対する各種抗不整脈薬の影響を卵母細胞の系を用いて検討した。第1群薬のquinidine、第3群薬のMS-551、第4群薬のverapamilの作用を調べたが、全ての薬物は濃度依存的にHerg電流を抑制した。0mVに脱分極後-80mVに再分極した際のテ-ル電流で比較するとIC_<50>はquinidineの場合約3.2μM、MS-551で約8.8μM、verapamilでは約7.3μMであった。また、脱分極を-20mV、および20mVにした場合も検討したが、MS-551の場合のみ、その作用に若干の電位依存性が認められた。チャンネルの開・閉状態による抑制の様式にも差が見られたが、キネティクスの速さの問題だけなのかどうか詳細はまだ明らかではない。薬物による抑制からの回復の特徴的なこととして、MS-551は30μMを用いても10分間のwashoutで80%以上の回復が見られた。verapamil(30μM)の場合は20分後でも12%程度の回復しか見られなかった。これら薬物の作用部位に関してHergチャンネルの点変異体を作製して検討し、第6膜貫通領域の変異によって薬物の作用が影響されることを見ており、今後詳細な検討を行う。このようなヒト遺伝子を発現させた系はこれからますますその有用性を増していくものと思われる。
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