研究課題/領域番号 |
07557181
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 試験 |
研究分野 |
解剖学一般(含組織学・発生学)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
片山 栄作 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (50111505)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 急速凍結法 / 凍結置換法 / ディープエッチレプリカ法 / 免疫組織化学 / 冷却CCDカメラ / イノシトール燐酸受容体 / 原形質流動 / 植物ミオシン / ディープエッチレプリカ / 蛍光標識 / 小脳プルキンエ細胞 / イノシトール3燐酸受容体 |
研究概要 |
本研究は、種々の生理的状態の組織や細胞を液体ヘリウムによる急速凍結とそれに続く凍結置換法またはディープエッチレプリカ法を用いて処理し、それぞれ状態における色々な細胞内蛋白質成分の静的な局在部位やそれらの部位の移動を、免疫組織化学的手法を用いて調べる技術を開発することを目的として開始した。実際には、1)急速凍結技術自体の良好な凍結部位の深度を上げること、2)そして凍結置換後に樹脂包埋・薄切した試料中の抗原を蛍光標識しその局在を示す微弱なシグナルを高感度・高分解能の冷却CCDカメラによって捉えることなどに努力した。1)に関しては、フリージングヘッド部分を熱伝導率の低い材質に変えたときにやや結果が良いようであった。2)では、哺乳動物小脳のプルキンエ細胞におけるイノシトール3燐酸受容体(IP_3R)の分布を調べるべく、急速凍結後フォルマリン・アセトンにより凍結置換を行い樹脂包埋後の超薄切片を抗IP_3R抗体で標識した。この切片は、電子顕微鏡観察に使う厚さに近く、抗体染色は辛うじて肉眼的に認められる程度のごく弱いものであったが、冷却CCDにより撮影したプルキンエ細胞はその細胞体・樹状突起ともに多数の点状の像を明瞭に示し、多くの場合数個の点が直線状に並んで分布していた。同時に作製した切片の電子顕微鏡像からこれらの点状の構造物が滑面小胞体であることが判明したが、同じ材料のフリーズレプリカ像において、相当する部位に2次元結晶を形成する膜蛋白質が検出され、さまざまな証拠からこの成分がIP_3Rであることを確認した。次に、植物細胞において約70μm/secという高速の原形質運動を担うミオシン分子の局在部位を探索した。細胞を開いて筋肉ミオシンSlを潅流後急速凍結してそのレプリカを観察するとSlで修飾されたアクチン束の一部が小胞体からの突出物に結合していた。この分子は尾部に球状ドメインを有し、そこで膜に結合しているらしい。
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