研究課題/領域番号 |
07557198
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 試験 |
研究分野 |
医化学一般
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研究機関 | (財)大阪バイオサイエンス研究所 |
研究代表者 |
渡辺 恭良 (財)大阪バイオサイエンス研究所, 第3研究部, 研究部長 (40144399)
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研究分担者 |
竹内 裕子 (財)大阪バイオサイエンス研究所, 第3研究部, 研究助手
鈴木 和年 放射線医学総合研究所, 高度診断機能ステーション, 第一ユニット長 (90162932)
井上 修 放射線医学総合研究所, 障害臨床研究部, 室長 (50159969)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1996年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | ポジトロン放出核種 / 酸素-15 / 酸素代謝 / 酸素添加酵素 / 酸素センサー / メタピロカテカ-ゼ / ラジオLC-MS / 副腎クロムアフィン細胞 |
研究概要 |
本研究では、ポジトロン放出核種である酸素15(^<15>O_2)の生化学利用への道を拓くことを中心とした。ベビ-サイクロトロンで、^<14>N(d,n)^<15>Oの核反応によって^<15>O_2を生産し、純化された酸素添加酵素系、培養細胞内の酸素代謝や、酸素センサーである細胞の酸素受容にこの酸素同位体^<15>O_2をいかに導入するかという試験的研究であった。困難な点は、酸素15の半減期2.07分から^<15>O_2の反応系への導入をかなり高速で行う必要があることである。(1)純化メタピロカテカ-ゼを用いて、反応系の確立を行った。サイクロトロンのターゲット中で産生された^<15>O_2を250ml/minの流速で、0.5%O_2/99.5%N_2の混合ガスにて反応系のバイアルに導入し、酵素反応を行い、得られた産物を迅速なHPLC-放射検出器-マススペクトロメトリーにより、一挙に同定・定量を行うことに成功した。次に、(2)酸素の速いフローによる機械的刺激に強い細胞でこれを試験した。浮遊培養の可能な神経内分泌腫瘍の細胞株であるBON細胞を用いて、密閉バイアル中5X10^6細胞/5ml培養液に液表層に^<15>O_2を上記の流速で導入した。^<15>O_2による放射活性が、実験系で最大値に達した導入4分後に細胞浮遊液を取り出し、酸を加えホモゲナイズして、その遠心上清を得て、上清の放射活性代謝物の分析を、上記の高感度放射検出器付きHPLC-MSシステムを用いて行った。その結果、非常に小さい放射活性のシグナルは見えるものの、UVやMSで判定できるものではなかった。(3)酸素センサーのモデル細胞として副腎髄質由来の培養クロムアフィン細胞の酸素感受性の性格付けを行い、この細胞が使えることが判明した。このような酸素受容性の高い細胞に^<15>O_2を用いるのが、次のステップであると考えている。いずれにせよ、短時間の生化学分析が勝負の世界であり、全く独創的な研究である。
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