研究課題/領域番号 |
07557204
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
寄生虫学(含医用動物学)
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
奥 祐三郎 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助教授 (60133716)
|
研究分担者 |
野中 成晃 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助手 (50281853)
神谷 正男 北海道大学, 学院・獣医学研究科, 教授 (30081665)
岡本 宗裕 大阪大学, 医学部, 助手 (70177096)
|
研究期間 (年度) |
1995 – 1997
|
研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
|
配分額 *注記 |
6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
1997年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1996年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
|
キーワード | 多包条虫 / キツネ / 酪農地帯 / 北海道 / 糞便内抗原 / 駆虫薬 / 人獣共通感染症 / 防除対策 / プラジクアンテル / コントロール / イヌ / 糞便抗原 / プラジカルテル / 人畜共通感染症 / プラジカンテル |
研究概要 |
多包条虫は北海道における重要な人獣共通寄生虫であり、最近のキツネの感染率は約40%にものぼる。北海道の自然の残っている知床国立公園、酪農地帯の代表として小清水町の終宿主の巣穴調査と感染状況調査(糞便採取と糞便の虫卵検査と糞便内抗原検出法による)、都市部との比較を行うために札幌のキツネの調査も併せて実施した。なお、予定していた駆虫薬プラジクアンテルの散布は、キツネの感染状況調査を一年間を通して観察し、年間変動の解析後行うこととしたため、駆虫薬の散布は行わなかった。 知床国立公園(調査地域26km^2)ではキツネ8家族について調査し、1家族にのみ感染を認め、感染率は高くなかった。また、その後疥癬症の流行により調査の続行は不能となった。 小清水町(調査地域200km^2)におけるキツネの調査では、168カ所の巣穴が確認され、すくなくとも31家族のキツネが調査地域に生息することが推察された。この巣穴周辺の糞便の調査では、陽性率は48.5%で、ほとんどの家族においていずれかのメンバーが多包条虫に感染していることが示唆された。このような農村地帯においてキツネが多数生息し、多包条虫感染率も高いことが確認された。一方、小清水町における飼いイヌの調査では多包条虫感染率は低いことが示された。 札幌(調査地域242km^2)の市街化区域内130カ所の公園および緑地について調査した。50カ所の公園及び緑地においてキツネの足跡が確認され、キツネの都市部における活発な活動が示唆された。さらに16カ所の巣穴が確認され、これらの巣穴周辺の糞便の検査により、糞便内抗原もしくは虫卵が確認された。市街地においても多包条虫対策の必要性が示唆された。
|