研究課題/領域番号 |
07557249
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 試験 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
田中 紘一 (田中 絞一) 京都大学, 医学研究科, 教授 (20115877)
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研究分担者 |
上本 伸二 京都大学, 医学研究科, 助手 (40252449)
尾崎 信弘 京都大学, 医学研究科, 助手 (50211818)
猪股 裕紀洋 京都大学, 医学研究科, 助教授 (50193628)
稲本 俊 京都大学, 医療技術短期大学部, 教授 (10135577)
山岡 義生 京都大学, 医学研究科, 教授 (90089102)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1996年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | 生体肝移植 / 免疫抑制療法 / 免疫寛容 / リンパ球混合試験 / サイトカイン / タクロリムス / 肝移植 |
研究概要 |
平成7年度と同様に、生体肝移植後長期に肝機能が安定している症例の免疫抑制療法の減量を継続し、免疫学的検討を行った。さらに、術前患者にも免疫学的検査を行い、生体肝移植の特徴を検討した。 1)術前患者10例において、ドナー予定者とサードパーテイに対する末梢リンパ球混合培養(MLR)上清中サイトカインの測定を行った。ドナー予定者に対するTh1系サイトカイン(IL‐2,IFN)の平均値はそれぞれ3.8pg/ml,24.1pg/mlであり、サードパーテイに対する値(27.5pg/ml,88.2pg/ml)より有意に低かった。以上の結果は、HLAがハプロアイデンテイカルな親子間の生体肝移植は、サードパーテイをドナーとする脳死肝移植と比較して免疫学的に有意であることの一つの証明であると考えられた。 2)肝移植後2年以上を経過し、肝機能が安定している症例に対して上記検査を継続して行った。平成7年度の報告と同様に、タクロリムス投与の減量を進めるにしたがい、ドナーに対する末梢リンパ球MIR上清中Th1系サイトカイン値は上昇した。しかし、サードパーテイに対する同サイトカイン値と比較すると有意に低値であることから、ドナー特異的な免疫学的反応が維持できているものと判断し、上記検査の結果に基づく免疫抑制療法からの離脱をプロスペクテイブスタデイ-として行っている。現時点ではこれらの症例の肝機能は安定している。 3)免疫抑制療法から完全に離脱した症例は7例となったが、ドナーに対するTh1系サイトカイン値はサードパーテイと同様までに上昇していた。したがって、末梢リンパ球レベルにおいてはドナーに対する免疫寛容が成立していないこととなり、臨床における免疫寛容の事実を説明できない。今後は移植された肝臓における抗原呈示状態の変化を検討する必要がある。
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