研究分担者 |
山森 伸二 日本光電工業(株), R&Dセンター, 課長
小笠原 康夫 川崎医科大学, 医学部, 講師 (10152365)
辻岡 克彦 川崎医科大学, 医学部, 教授 (30163801)
梶谷 文彦 川崎医科大学, 医学部, 教授 (70029114)
田中 啓幹 川崎医科大学, 医学部, 教授 (10069015)
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研究概要 |
A)腎内微小血管到達法: 1)手術時(開放性腎生検,腎腫瘍の摘出)に腎表面を露出・固定し細径(径:3.5mm)ニードル型CCD生体顕微鏡を被膜経由で直接挿入し観察することを想定し麻酔犬で正中切開し露出した腎表面より直接直視型ニードルを用いて腎内微小循環を観察した。 2)尿管の閉塞に対して半永久的に背中より直接腎瘻を造設している患者に対して,そのルートを使って腎内へ側視型細径ニードル型CCD生体顕微鏡を挿入し経皮的に観察することを想定し麻酔犬で腎瘻を作成側視型細径ニードルを用いて腎内微小循環を観察した。 B)腎内微小循環の観察: 麻酔犬を対象として上記の方法で腎内微小血管より数十ミクロン離れた点にニードル先端を固定し,グリーンフィルターを用いて血管径のイメージを得る。この状態で,インジゴカルミン20mg/10ccを上腕静脈よりone shotで注入し,腎内微小血管の観察と同時にこの腎排泄性色素の近位尿細管への排泄状態を観察・解析する。具体的には色素の糸球体までの排泄時間と近位尿細管排泄時間を測定し、正常者と腎機能障害群で比較した。 1)血管をエンハンスするグリンフィルターと糸球体・尿細管をエンハンスするインジゴカルミンによりvasculo-tubular systemの可視化が可能であった。なお,全症例感染症,血腫の合併症はなかった。 2)閉塞性腎症で尿細管障害の著明な群は糸球体・尿細管の正常な群に比し近位尿細管へのICの排泄時間の遅延を認めた。 直視型,側視型ニードルプローブを用いることによってヒト腎vasculo-tubular systemの可視化ができ,ネフロンレベルでの機能評価が可能になった。
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