研究課題/領域番号 |
07557306
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 試験 |
研究分野 |
医薬分子機能学
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研究機関 | (財)東京都臨床医学総合研究所 |
研究代表者 |
篠崎 温彦 財団法人東京都臨床医学総合研究所, 薬理研究部門, 研究員 (20109945)
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研究分担者 |
小西 史郎 (株)三菱化学生命科学研究所, 研究員
宮本 昌志 (株)キリンビール, 医薬探索研究所, 研究員
伊澤 敏雄 (株)キリンビール, 医薬探索研究所, 研究員
宇山 佳明 (財)東京都臨床医学総合研究所, 薬理研究部門, 研究員 (20281686)
石田 美知子 (財)東京都臨床医学総合研究所, 薬理研究部門, 研究員 (90124437)
小西 史朗 (株)三菱化学生命科学研究所, 研究員
伊沢 敏雄 (株)キリンビール, 医薬探索研究所, 研究員
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
1996年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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キーワード | 代謝調節型グルタミン酸受容体 / priming / 神経可塑性 / シナプス伝達 / 長期抑圧 / グルタミン酸トランスポーター / グルタミン酸 / 2-(carboxycyclopropyl)glycine / フッ素置換体 / 立体配座 / 神経細胞死 / NMDA型受容体 / uptake阻害 |
研究概要 |
2-(2-carboxy-3,3-difluorocyclopropyl)glycineの8個の構造異性体の薬理学的活性を測定した。全て脊髄運動神経細胞を脱分極させたが、その有効濃度は各々著しく異なっていた。官能基の立体配置がL-CCG-Iに対応するL-F_2CCG-Iは、L-CCG-Iと同様に代謝調節型受容体アゴニストとしての性質を示し、かつその活性は3倍増大した。L-CCG-IIに対応するL-F_2CCG-IIはL-CCG-IIより活性は著しく低かった。一方CCGの中で最も活性が強く、NMDA型受容体のアゴニストであるD-CCG-IIに対応するD-F_2CCG-IIの活性はD-CCG-IIの1/10程度であった。これに対しD-CCG-Iとそれに対応するD-F_2CCG-Iはほとんど同じ活性を示した。一旦、L-F_2CCG-Iで新生ラット摘出脊髄標本を短時間処理すると、完全に洗浄した後でも、本来何の応答も起こさない極めて低濃度のグルタミン酸により、シナプス伝達が数時間顕著に抑制をうける。いわゆるprimingの現象である。L-F_2CCG-IでmGluRを活性化した後に生ずるグルタミン酸によるシナプス伝達の長期抑圧は、既存のいかなるアゴニストを用いても、このような現象を再現させることはできず、既に認知されている如何なるメカニズムでも説明が困難である。このL-F_2CCG-I適用後のグルタミン酸によるシナプス応答の減少は、グルタミン酸の感受性が数百倍以上も高まった現象とも解釈できるが、この機構を解明することは、新たなシナプス伝達機構の存在を提示することにつながるだろう。他の3',3'-difluoro-CCGに比べて、特にL-F_2CCG-Iはグルタミン酸受容体の生理学的機能を研究する上で極めて有用な薬理学的プロープである。
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