研究課題/領域番号 |
07557317
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
応用薬理学・医療系薬学
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
遠藤 仁 杏林大学, 医学部, 教授 (20101115)
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研究分担者 |
細山田 真 杏林大学, 医学部, 助手 (00291659)
関根 孝司 杏林大学, 医学部, 助手 (50255402)
武田 理夫 杏林大学, 医学部, 講師 (40255401)
車 碩鎬 杏林大学, 医学部, 助手 (50276200)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
1997年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1996年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
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キーワード | 近位尿細管直部 / 有機アニオン / ジカルボン酸 / トランスポーター / ジカルボン酸トランスポーター / 有機アニオントランスポーター / プロスタグランジン / β-ラクタム抗生物質 / 腎内輸送 / 腎内蓄積 / 不死化細胞 / 近位尿細管中間部 / 近位尿細管終末部 / 髄質外層集合管 / シスプラチン / アポトーシス / 陰イオン有機酸輸送 / デキサメサゾン |
研究概要 |
平成8年度において、分子クローニングに成功した有機アニオントランスポーター(OAT1)のDNAシークエンス、組織分布、機能解析を実施した。 (1)OAT1の化学構造 OAT1はアミノ酸551個より成り、そのhydropathy plotより膜12回貫通型のタンパクであり、N末とC末は共に細胞質内に存在する。第一と第二の膜貫通の外側に位置する大きなループには4個のN-糖鎖結合部位が予測される。又第6と第7の膜貫通に連なる細胞質内ループにはC-キナーゼによるリン酸化部位の存在が予測された。 (2)組織分布 ノザンブロットによりOAT1のmRNAは腎に強く、脳に弱く発現が認められ、他の臓器にはその発現は認められなかった。腎内では皮質に高く分布していた。C末端のペプチドに対する抗体による免疫組織化学染色では近位尿細管の基底側膜にOAT1の局在が認められた。 (3)機能解析 OAT1のcRNAをアフリカツメガエル卵母細胞に注入した発現系による機能解析では、^<14>C標識パラアミノ馬尿酸(PAH)の取り込みはジカルボン酸との交換輸送であった。Km値は14μMで、輸送基質は内因性物質としてはプロスタグランジン類、cAMP、cGMP、尿酸、ジカルボン酸等、外来性物質としては非ステロイド系抗炎症薬、β-ラクタム系抗生物質、利尿薬、抗腫瘍薬、抗痙攣薬、変換酵素阻害薬、マイコトキシン類などの多岐に及んでいた。 以上のOAT1の新しい多選択性輸送機能から類推すると、OAT1は従来より存在が予測されていた腎の有機陰イオン輪送系の主要なトランスポーターである事が判明した。この遺伝子を強制発現させた培養細胞を用いて、各種薬物の腎毒性のスクリーニングが可能と思われる。
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