研究課題/領域番号 |
07557332
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 試験 |
研究分野 |
病体医化学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
吉川 和明 大阪大学, たんぱく質研究所, 教授 (30094452)
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研究分担者 |
林 要喜知 長野県看護大学, 助教授 (70173044)
三木 直正 大阪大学, 医学部, 教授 (40094445)
植月 太一 大阪大学, たんぱく質研究所, 助手 (20260309)
谷浦 秀夫 大阪大学, たんぱく質研究所, 助手 (80263325)
新延 道夫 大阪大学, たんぱく質研究所, 助教授 (80135748)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1996年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | アルツハイマー病 / アミロイドβ蛋白質 / APP / ニューロン / アデノウイルスベクター / 神経変性 / 遺伝子導入 / 脳 / 胚性がん細胞 / 脳病理 / 培養細胞 / 発現制御 / アデノウイルス |
研究概要 |
アルツハイマー病の原因の解明は現在の医学研究の最重要課題の一つである。アルツハイマー病の大脳では,変性ニューロンとともにアミロイド線維の沈着がみられる。このアミロイド線維の構成成分であるAβ蛋白質あるいはその前駆体蛋白質APPと,アルツハイマー病の本態をなす大量のニューロン死との関連については未だ結論をみるには至っていない。アルツハイマー病の病態を解析するためにはアミロイド関連蛋白質によって変性を起こすニューロン系を樹立することが重要である。そこで本研究では、ニューロンにAPP遺伝子を導入して、細胞変性死を起こすような細胞モデルを作製することを企図した。遺伝子導入系として分裂終了ニューロンに遺伝子導入が可能なアデノウイルスベクターを利用した。この系を用いて初代培養ラット海馬ニューロン内でのAPPの発現量を増加させると、グルタミン酸誘発性の細胞内カルシウム濃度の増加を増強することから、この変化がニューロン変性と結びつくことが推定された。また、胚性がん細胞由来のヒト分裂終了ニューロンを用いて、APPを強制発現させると数日以内に変性を起こすことを明らかにした。さらに、同じアデノウイルスベクターを用いて、実験動物の脳内ニューロンでも細胞体の萎縮とシナプスの異常を伴った変性が起こることを確認した。これらの一連の研究によってAPPのニューロン内での蓄積によるニューロン変性作用を検出できる系を樹立することができた。この系の開発により将来のアルツハイマー病の原因の分子レベルでの解明や治療薬の開発への応用が可能になった。
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