研究課題/領域番号 |
07557345
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 試験 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
横山 光宏 神戸大学, 医学部, 教授 (40135794)
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研究分担者 |
谷口 隆弘 神戸大学, 医学部・附属病院, 助手 (20263379)
川嶋 成乃亮 神戸大学, 医学部・附属病院, 講師 (10177678)
川原 康洋 神戸大学, 医学部, 講師 (80169755)
秋田 穂束 神戸大学, 医学部, 助教授 (60175792)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
1996年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
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キーワード | セロトニン / 冠動脈萎縮 / 動脈硬化 / 血管平滑筋 / 分子生物学 / 細胞内カルシウム濃度 / 急性心筋梗塞 / 冠動脈攣縮 / 遺伝子多型性 |
研究概要 |
私達は虚血性心疾患の成因における5-HT受容体の関与を検討し以下の実験結果を得た。 1.動脈硬化における5-HT受容体の異常 遺伝性高脂血症(WHHL)家兎の胸部大動脈を用いて等尺性張力と平滑筋細胞内Ca^<2+>濃度を同時測定した。動脈硬化血管における5-HTの収縮反応亢進は、細胞内Ca^<2+>濃度の上昇をおり、収縮蛋白Ca^<2+>感受性亢進は関与していなかった。また、正常家兎の胸部大動脈の5-HT受容体は5-HT2受容体であるが、WHHL家兎の胸部大動脈の収縮反応の亢進には5-HT1-like受容体が関与していて、本受容体を介したCa^<2+>動員機構の異常が重要であると考えられた。 2.ヒト冠動脈平滑筋に発現するセロトニン受容体の遺伝子解析 死後ヒト冠動脈よりtotal RNAを抽出し、RT-PCR及びRNase protection assayを行うことによりヒト冠動脈に発現する5-HT受容体を遺伝子レベルで解析した。ヒト冠動脈おける主要な5-HT受容体は5-HT1Dβおよび5-HT2A受容体であった。また動脈硬化を有する冠動脈ではとくに5-HT1Dβ受容体の発現量が約2.5倍に増加していたが、5-HT2A受容体は動脈硬化によって発現変化は認められなかった。セロトニンやエルゴノビンはとくに5-HT1受容体に親和性が高いことから動脈硬化冠動脈における中膜平滑筋の過剰収縮反応には5-HT1Dβ受容体が関与していることが推察された。 3.5-HT2A受容体の遺伝子多型性と急性心筋梗塞発症の関係 5-HT2A受容体遺伝子にはT^<102>Cの多型性が存在する。RFLP法によりこの遺伝子多型性が急性心筋梗塞発症に及ぼす影響を検討したところ、急性心筋梗塞発症群ではTT及びTC遺伝子多型の頻度が有意に高く、5-HT2A受容体遺伝子多型性が喫煙、高血圧などと並んで急性心筋梗塞の独立した危険因子である可能性が示唆された。
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