研究課題/領域番号 |
07557359
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 試験 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
山下 純宏 金沢大学, 医学部, 教授 (90026948)
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研究分担者 |
天沼 宏 金沢大学, 理化学研究所, 主任研究員
山口 和男 金沢大学, 遺伝子実験施設, 施設長教授 (00019879)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1996年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | chemokine / MIP-1 alpha / retrovirus vector / adenovirus vector / MCAF / glioma / MIP-1alpha / retrovirusvector / specificity / chimera / env / EGF |
研究概要 |
従来より種々の免疫療法が試みられているが、免疫原性の低い悪性グリオーマの治癒は極めて困難と思われる。我々は、MIP-1 alphaおよびMCAFなどのケモカインをウイルスベクターによって発現させ悪性グリオーマに対するワクチン療法の可能性を検討することを目的とし、これらのベクターの開発を行った。 ラットcDNAライブラリーよりPCR法にてMIP-1 alphaおよびMCAFの相補性DNAをクローン化した。組換えレトロイウイルスゲノムpLNCXを用いてCMVプロモーターにより挿入遺伝子を発現するウイルスベクターゲノムを構築し、パッケージング細胞psi-CREを用いて組換えレトロウイルスベクターを得た。さらに、pLNCXを用いてEGF受容体、MBP、calmodulin-type2、GFAP、およびCMV遺伝子などのプロモータ領域を挿入しルシフェラーゼをマーカー遺伝子とし悪性グリオーマにおいて効率良く発現を行うプロモーターについて検討を行った。さらに感染段階での特異性の検討のため、ヒトEGFの相補性DNAをパッケージング細胞BOSC23に導入しEGFキメラエンベローブを発現するパッケージング細胞の作成を行った。また、組換えアデノウイルスゲノムにラットMIP-1 alphaおよびMCAFの相補性DNAを挿入し、ヒト胎児腎細胞239に導入して組換えアデノウイルスベクターを得た。PCR法およびウェスタンブロット法にて目的挿入遺伝子の発現を確認した。また、ラット神経膠肉腫細胞9Lを9L同系ラットF344の側腹部皮下に移植し1週間後にケモカイン発現ベクターを注入し、その局所免疫反応およびCTL活性の誘導などの生理活性を検討した。MIP-1 alpha発現アデノウイルスベクターを用いた場合、皮下腫瘍におけるTリンパ球および単球の著名な集蔟が観察された。 アデノウイルスベクターを用いてアデノウイルス蛋白により惹起される炎症反応と共にケモカインを発現させることにより、ラット9L腫瘍モデルにおいて抗腫瘍免疫効果が示唆された。ケモカイン発現ウイルスベクターを用いた悪性グリオーマに対するワクチン療法が期待される。
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