研究課題/領域番号 |
07557378
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 試験 |
研究分野 |
医薬分子機能学
|
研究機関 | 岐阜薬科大学 |
研究代表者 |
河野 通明 岐阜薬科大学, 薬学部, 助教授 (00027335)
|
研究分担者 |
中里 紘 サントリー, 生物医学研究所, 部長
瀧川 雅浩 浜松医科大学, 医学部, 教授 (80115873)
林 恭三 岐阜薬科大学, 薬学部, 名誉教授 (00029935)
佐藤 仁彦 岐阜薬科大学, 薬学部, 助手 (00240945)
辻本 雅文 理化学研究所, 主任研究員
|
研究期間 (年度) |
1995 – 1996
|
研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
|
配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
1996年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
|
キーワード | 腫瘍壊死因子 / 神経成長因子 / 創傷修復 / 繊維芽細胞 / インターロイキン-1 / 骨形成因子 / 受容体 / 末梢神経再生 |
研究概要 |
1。腫瘍壊死因子(TNF)の繊維芽細胞に対する神経成長因子(NGF)産生促進作用は、創傷部位においてマクロファージなどより産生、分泌されるインターロイキン-1、インターフェロン-γ、骨形成因子の共存によって相乗的に亢進されることを見出し、TNFは上記因子と共に繊維芽細胞に対してNGF産生を強力に促進することで、創傷修復過程における必須の反応の一つである末梢神経再生に深く関与している可能性を提示した。 2。TNFの上記作用は、分子量55,000のタイプI-TNF受容体を介して引き起こされるが、一方、受容体以降関してはERK MAPキナーゼ、p38 MAPキナーゼ、Cキナーゼ、Aキナーゼなどが直接的には関与しない未同定のユニークな細胞内シグナル系に依存している可能性が示唆された。 3。NGF遺伝子の転写調節領域に関しては、転写開始点付近の約2kbpのフラグメントを単離し、このなかにTNFに応答する調節領域が含まれているかどうかを常法に従って解析したが、今回解析した領域にはTNFによる調節領域が含まれていない可能性が示唆され、この点は今後の検討課題として残った。 4。in vivoでの末梢神経繊維再生に及ぼすTNFの効果を検討する目的で、II型糖尿病マウスの背部を剃毛後作製した全層切除創にTNFを滴下したところ、0.1μg/cm^2のTNFを投与した場合には術後11日および14日目の潰瘍面積の縮小率に有意な差が認められ、また細胞浸潤が少なく、繊維芽細胞が増加し、成熟した肉芽の形成が認められ、さらに真皮内に神経繊維の再生が確認されるなど、創傷治癒に対する促進効果が認められた。一方、1μg/cm^2以上の濃度のTNFを滴下した際には逆に潰瘍面積が拡大するなど全く治癒傾向は認められず、TNFを末梢神経再生促進剤として臨床応用するに際してはこの点に留意する必要性が示された。
|