研究概要 |
本研究では,まず,既に試作を行っていた1kbitビット並列ブロック型並列機能メモリ型並列プロセッサ(BPBP-FMPP)を用いたプロセッサボードの開発を行い,機能メモリをホスト計算機と結んだ計算機システムから,その問題点を洗い出した.次に,アプリケーションを動画像圧縮に絞り,低ビットレートでの動画像圧縮を高速に行うベクトル量子化用機能メモリ型並列プロセッサ(FMPP-VQ)の開発を行った.BPBP-FMPP,FMPP-VQは,SRAMをベースとして設計を行ってきたが,更なる集積度の向上を目指して,加算機能を持つDRAMベース機能メモリ(加算機能付メモリ)の開発も行った.これとは別に,多数の機能メモリをボード上に搭載したときにそれらを高速な光バスで接続するための手法検討も行った. (1)ビット並列ブロック並列機能メモリ型並列プロセッサ ここでは,加算,論理演算の機能を持つビット並列ブロック並列構造の機能メモリ型並列プロセッサ(BPBP-FMPP)の評価を行った. (2)ベクトル量子化に特化した機能メモリ型並列プロセッサ ここでは,処理をベクトル量子化を用いた動画像の低ビットレート圧縮に限定して,集積度を高めた「ベクトル量子化用機能メモリ型並列プロセッサ(FMPP-VQ)」の設計開発を行った. (3)DRAMを用いた加算機能に特化した機能メモリ型並列プロセッサの開発 ここでは,DRAMを用いて機能メモリを構成した.DRAMの高集積度の恩恵を最大限に活かすために,演算機構を2ワード毎にビットシリアルに付加した.処理としては,加算機能とそれを用いて付随的に可能な簡単なもののみに限定した. 光配線のプロセッサボードへの応用 ここでは,光配線と電気配線について適当なモデルを設定し,配線距離と遅延時間の関係について考察した.光配線の応用例として高速光伝送バスを想定し,その検討課題を調べた.また,クロック信号の分配について提案し,ボード内クロック配分のモデルについて検討した.
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