配分額 *注記 |
20,500千円 (直接経費: 20,500千円)
1997年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1996年度: 5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
1995年度: 11,900千円 (直接経費: 11,900千円)
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研究概要 |
世界各国から採集した昆虫及び生薬植物に含まれる抗菌活性成分について,ヒト株化細胞に対する細胞毒性とメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)臨床分離株に対する抗菌活性をスクリーニングし,槐花(Sophora japonica)等8種の生薬生物から抽出した画分は,ヒト株化細胞に対する細胞毒性は無いかあっても極めて低いが,供試したMRSA株全てに対して極めて低濃度でその増殖を完全に阻止することを発見した.この発見は,これらの生薬成分には,MRSAに対して選択的に強力な抗菌力を発揮する抗菌物質が含有されていることを示している. そこで,上記生薬の抽出画分から有効成分を単離精製し構造決定を行った.その結果,訶子からはgallic acidとethyl gallate,蒼耳葉からはxanthatin,そして半枝蓮からはapigeninとluteolinが抗菌活性成分として同定された.さらに,これら抗菌活性物質の作用メカニズムについてその解明を試み,下記の画期的な発見を世界に先駆けて行った. 1.メチシリンの最小発育阻止濃度(MIC)1,000μg/ml以上を示す高度耐性MRSAにおいて,各種のβ-ラクタム剤に対する感受性をMIC-0.5〜3.9μg/mlまで誘導する化合物(apigenin,luteolin,kaempferol,flavone等)を生薬成分等の中から発見し,これらの薬剤に対し"β-ラクタム剤-感受性誘導薬"と名付けた. 2.MRSAに対する"β-ラクタム剤-感受性誘導薬"の新しいスクリーニングシステムの開発.
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