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ピコメータ精度計測システムを使った蛋白分子間相互作用の解析法

研究課題

研究課題/領域番号 07558096
研究種目

基盤研究(A)

配分区分補助金
応募区分展開研究
研究分野 生物物理学
研究機関東京大学

研究代表者

上村 慎治  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (90177585)

研究期間 (年度) 1995 – 1997
研究課題ステータス 完了 (1997年度)
配分額 *注記
13,600千円 (直接経費: 13,600千円)
1997年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1996年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1995年度: 8,200千円 (直接経費: 8,200千円)
キーワードナノメーター計測 / 光学顕微鏡 / ダイニン / 真核生物ベン毛 / チューブリン / caged化合物 / 微小管滑り運動 / ピコメーター計測 / 細胞運動 / 光学顕微鏡計測 / 生物物理学 / 分子間力 / 生体分子
研究概要

本研究では、精密測定を目的とした水平式の光学系を持つ光学顕微鏡システムの開発に成功した。光学系を水平式とする利点は、光軸を安定して固定できるために機械的に極めて安定した装置ができる点、対物レンズと接眼レンズ間の距離を自由に変更できるため拡大率を調節可能な点、光学素子を支えるための鏡筒部分が不要なため対物・接眼の間に自由に他の部品、たとえば、UV光学系、ダイクロイックミラー、シャッターなどを挿入できる点、観察試料のマイクロマニピュレーションを行うために装置が設置しやすい点など多くのものがある。また計測装置の光センサを時間分解能の高い設定に改良することで時間分解能が10KHzまで向上できるように改良した。この装置を使ってウニ精子微小管の振動波形を詳しく解析した結果、振動には一定速度の滑り運動を行う相(A)と周期的なゆらぎのみられるプラトー相(B)に分けることができることがわかった。Aはダイニンとチューブリンの強い相互作用(架橋)が生じている状態、Bは、その架橋が解離してATPの再結合までの状態ではないかと考えられる。また、この装置を用い、以下のcaged-ATPを使った新しい実験を試みた。トリトン処理したウニ精子鞭毛を実験材料として、瞬間的(数ミリ秒以内)にATPを付与し、その時の微小管滑り運動をnm〜数百pmの精度で計測することができた。その結果、鞭毛軸糸の中のダイニンがATPと結合し、ダイニン・ADPの反応中間体となったものが、滑り力発生(運動の開始)に関与している可能性が最も高いことが証明できた。これはこれまでテトラヒメナを使って行われてきたダイニンATP加水分解酵素に関する生化学的な報告を裏付ける結果であり、ダイニンのin situでの酵素化学反応論的な実測としては、はじめての報告である。反面、ダイニン・ADPと急速に結合するために強い阻害効果を持つと考えられて来たバナジン酸は、この運動開始に関わっていると考えられるダイニン・ADP反応中間体には全く作用しないということもこの研究で判明した。力発生のメカニズムを理解する上で非常に重要な知見である。

報告書

(4件)
  • 1997 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 1996 実績報告書
  • 1995 実績報告書
  • 研究成果

    (11件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (11件)

  • [文献書誌] Tani, T.and Kamimura, S.: "Reactivation of sea-urchin spermflogella induced by rapia photolysis ofcaged ATP." J.experimental Biology. (in press). (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1997 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 上村 慎治: "細胞のミクロ探索-見えないものをみる-" 日本学術協力財団, 16(57-72) (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1997 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 上村 慎治: "高分解能顕微鏡で捉えた分子モーターの揺らぎ" 日本生物物理学会(生体分子モーターのしくみ)pp.144-157., 14 (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1997 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Tani, T.and Kamimura, S.: "Reactivation of sea-urchin sperm flagella induced by rapin photolysis of caged ATP." J.exp.Biol.(in press). (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1997 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Kamimura, S.: Nihon-Gakujutu-Kyouryoku Foundatiojn. Micro-explorarion into the cell (in Japanese)., 57-72 (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1997 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Kamimura, S.: Biophys. Society of Japan, Mechanism of molecular motors.Micro-fluctuation detected with high-precision measurement microscope (in Japanese)., 144-157 (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1997 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Tani,T. and Kamimura,S.: "Reactivation of sea-urchin sperin flagella induced by rapid photolysis of caged ATP." J.experimental Biology. (in press). (1998)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] 上村慎治: "細胞のミクロ探検-見えないものをみる-" 日本学術協力財団, 16.(57-72) (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] 上村慎治: "高分解能顕微鏡で捉えた分子モーターの揺らぎ" 日本生物物理学会(生体分子モーターのしくみ), 14(144-151) (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] 上村慎治: "光学顕微鏡(1)-光学顕微鏡の基礎と位相差顕微鏡" 遺伝,5(2), 6 (1997)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] 上村慎治: "高解像度運動解析(特集、チューブリン系細胞運動)" 細胞27(8), 5 (1995)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書

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公開日: 1995-04-01   更新日: 2016-04-21  

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