研究課題/領域番号 |
07558099
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
生物物理学
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
中西 守 名古屋市立大学, 薬学部, 教授 (90090472)
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研究分担者 |
伊藤 博康 浜松ホトニクス研究所, 研究員
古野 忠秀 名古屋市立大学, 薬学部, 講師 (80254308)
南後 守 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (90109893)
水口 純一郎 東京医科大学, 教授 (20150188)
伊東 博康 浜松オートニクス, 研究員
鳥越 智香子 名古屋市立大学, 薬学部, 講師 (70237163)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
13,000千円 (直接経費: 13,000千円)
1997年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1996年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
1995年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
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キーワード | 遺伝子治療 / 正電荷コレステロール / 正電荷リポソーム / 共焦点レーザ顕微鏡 / 原子間力顕微鏡 / エンドサイトーシス / ベクターの開発 / ゼータ電位 / 遺伝子導入 / リポソーム / アンチロンスDNA / プラスミド / アンチセンス |
研究概要 |
遺伝子治療は遺伝病の根元的治療法になるだけでなく、癌やエイズ治療にも有効であると期待されている。それゆえ、遺伝子治療のための基盤研究の推進は緊急の課題となっている。特に重要な課題は、安全性が高くて、効率のよい外来遺伝子の細胞内導入法の確立である。そこで、本研究では正電荷コレステロールを素材とした正電荷リポソームによる外来遺伝子の細胞内導入技術の開発を行った。それと同時に、細胞内に導入した外来遺伝子の動態を解析する技術を開発し、遺伝子治療の基盤技術の確立を企てた。具体的には、末端に三級アミンを持ったスペ-サの長さの異なった8種類の正電荷コレステロール誘導体を合成し、それを素材とした正電荷リポソームを作製し、プラスミド遺伝子(CATとLuc遺伝子)の培養細胞への導入を行った。遺伝子導入の効率はCAT活性及びルシフェラーゼ活性で測定した。その結果、導入効率の著しく高い誘導体を開発に成功するとともに、正電荷リポソームのゼータ電位と遺伝子導入の効率との間には密接な相関関係があることを明らかにした。また、末端に水酸基を持った新規正電荷コレステロール誘導体の開発に成功するとともに、in vivoでの遺伝子導入に大変威力を発揮することを明らかにした。さらに、共焦点レーザ顕微鏡と原子間力顕微鏡を用いて導入遺伝子の細胞内動態を解明するとともに、外来遺伝子がエンドサイトーシスで細胞内に取り込まれることを明らかにした。またその際、キャリアーのリポソームとDNAの複合体は400nm〜1.4μmのサイズのときに最も遺伝子導入の効率がよいことも証明した。また、細胞内に導入された外来遺伝子はリポソーム内でキャリアーのリソゾームから解離し、核内へ選択的に移行することを示した。これらの実験結果は、遺伝子治療の今後の研究に対して有用なベクターの開発に重要な情報を提供すると考えられた。
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