研究課題/領域番号 |
07558104
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
神経解剖学・神経病理学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
遠山 正彌 大阪大学, 医学部, 教授 (40028593)
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研究分担者 |
今泉 和則 田辺製薬株式会社, 応用生化学研究所, 研究員
和中 明生 福島県立医科大学, 生体情報伝達研究所, 教授 (90210989)
塩坂 貞夫 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究所, 教授 (90127233)
高木 勉 大阪大学, 医学部・寄附講座, 客員助教授 (10252686)
島田 昌一 大阪大学, 医学部, 助教授 (20216063)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
13,200千円 (直接経費: 13,200千円)
1997年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1996年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
1995年度: 6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
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キーワード | 遺伝子クローニング / ランダムプライマー / ディファレンシャルディスプレイ / ES細胞 / ジーンターゲティング / ディファレンシャルディスプレイ法 / mRNA / プログラム細胞死 / 強制発現 |
研究概要 |
今年度は、LIG-1遺伝子のin vivo機能解析の一助として、LIG-1遺伝子欠損マウスの作製を行い、その表現型の解析を実施した。 まず、LIG-1遺伝子のゲノム構造(129SVマウス系統由来)を明らかにした後、第1エキソンの一部を含む約750bpとその下流約6Kbのゲノム断片を相同組み換え領域とする置換型ターゲティングベクター(pTVLIG-1)を作製した。このターゲティングベクターをエレクトロポレーション法でES細胞R1株に導入後、得られた525個のG418耐性クローンについて、PCR法を用いて目的相同組み換え体をスクリーニングした。その結果、独立した5つの変異ES細胞クローンを取得した。このうち核型分析で正常染色体数を確認した3クローンについてはES細胞-二倍体胚凝集法により、70%以上の高いES細胞寄与率を示すキメラマウスを作製した。次に、これらキメラマウスをC57BL/6マウスと交配させた結果、2系統(3匹)においてgermline transmissionが認められ、産仔中にヘテロ変異体を得ることができ、更に、これらヘテロ変異体どうしの交配によりホモ変異体を得た。また、得られた変異マウスについて、LIG-1遺伝子発現をノーザンブロット解析した結果、ホモ変異体では、LIG-1遺伝子の転写産物は全く検出されず、LIG-1たんぱく質は翻訳され得ない状態にあることが確認できた。ヘテロ変異体では、遺伝子発現量は約1/2量に半減していた。 LIG-1遺伝子欠損マウスは、ヘテロ体・ホモ体とも、発育および行動に関して野生型との間に明確な差異は認められない。また生殖能についても、ホモ接合体どうしによる繁殖が可能であることから、ほぼ正常であると思われた。 現在、このLIG-1遺伝子欠損マウスの表現型を解析しているが、今の所、ホモ変異体において皮膚の異常が確認されている。病理組織学的な検討の結果、表皮の肥厚・角層内微小膿瘍・角化亢進・錯角化・真皮表皮への炎症性細胞浸潤などヒトの炎症性角化症と極めて類似したものであることがわかった。尚、神経系の異常については検討途上である。
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