配分額 *注記 |
13,200千円 (直接経費: 13,200千円)
1997年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1996年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
1995年度: 7,900千円 (直接経費: 7,900千円)
|
研究概要 |
1.良好な細胞接着性と臨床使用実績を有する人工高分子繊維の埋植(In vlvo)材料試験ではポリエステルの強度が最も高かった.2.ヒト由来膠原線維束のうち,半腱様筋腱の引っ張り強度は124.3±23.4MPaと最も強靭であった.3.人工高分子繊維とヒト由来膠原線維束との直列結合方法として,ループにした膝屈筋腱と平織りポリエステルテープとのα型結合方法が最も高強度であった.4.平織りポリエステル繊維と生体由来膠原線維束をα型結合したハイブリッド型人工靭帯を用いた膝前十字靭帯再建膝の初期強度(In vitro)は約900Nであり,現存の術式の中で最強であった.また繰り返し負荷に対して極めて安定であった.5.ハイブリッド型人工靭帯の膠原線維部分の固着(In vivo)は約3週で始まり、6週で強固になった.この固着力は,移植腱直径と骨孔径との不一致の影響を受けなかった.6.ハイブリッド型人工靭帯の膠原線維部分の移植後の強度を推定する動物実験(In vivo)では,引っ張り強度は3週,6週,12週および24週で初期強度の59%,50%,51%および56%と変化し,低下量は移植膝蓋腱と比べて少なかった.7.除負荷や過負荷は移植されたヒト由来膠原線維束の力学的特性を低下させるが,ハイブリッド型人工靭帯ではこの低下が移植膝蓋腱と比べて少なかった.8.以上の基礎的研究に基づいて,臨床使用が可能な人工高分子繊維(ポリエステル)と生体由来膠原線維束を直列に結合した高靱性ハイブリッド型人工靭帯を完成させ,臨床評価(110膝)した.その結果,91%の症例で正常な膝安定性が再建された.その成績は従来の材料によるそれよりも良好であった.
|