研究分担者 |
篠原 稔 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (70241213)
深代 千之 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (50181235)
川原 貴 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (60169753)
久野 譜也 東京大学, 教養学部, 助手 (70242021)
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研究概要 |
本年度の研究目的は、長時間の膝関節伸展筋力を発揮している時,膝伸展に寄与する筋群の中で特異的に収縮すると考えられている大腿直筋の収縮パターンを明らかにすることであった.健康な成人男性7名を対象に,大腿直筋(RF),外側広筋(VL),内側広筋(VM)に筋電図,筋音図電極を装着し,同時に,近赤外分光装置を装着し,各筋群の活動水準及び代謝水準を測定した.等尺性膝伸展筋力(10%MVC)を連続して1時間発揮した結果,筋が疲労するに伴い,RFと他の筋(VL及びVM)との間で,筋電図(EMG),筋音図(MMG),及びOD(吸光度)に変化が見られた.即ち,疲労状態では急激なRFの活動に伴うVL及びVMの活動中止(及びその逆)が観察され,この疲労時の筋の活動交代が筋の代謝の変化をも伴うことが明らかになった.この筋疲労に伴う筋群間の活動交代には筋線維特性や筋アーキテクチュアが関係することが考えられた. さらに,最大等尺性膝伸展筋力を3秒間発揮し,3秒間の休息を挟んで50回連続した結果,最大筋力は48%まで低下し,この時,EMG及びMMGはそれぞれ70%及び50%まで低下する傾向が見られた.また,MMGは筋群間でRF<VL<VMとなった.この共同筋群のMMGの差異は筋線維タイプの差異に起因するものと解釈された.これらの結果より,膝伸展動作における共同筋軍艦の機械的活動は疲労により影響され,特に大腿直筋の活動水準は他の筋群に比較して顕著に変化することが示唆された.
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