| 研究概要 |
本研究ではガス交換動態からヒトの体力の指標をさぐるため,陸上部に所属する長距離選手を対象とし,安静時における呼気ガス中の一酸化窒素濃度(〔NO〕),亜酸化窒素濃度(〔N_2O〕),および運動時における〔NO〕,〔N_2O〕,一酸化窒素排出量の最大値(VNO_<max>),亜酸化窒素排出量の最大値(VN_2O_<max>),最大毎分換気量(VE_<max>),最大酸素摂取量(VO_<2max>)および体重当りの最大酸素摂取量(VO_<2max>/W)を測定した。その結果,各選手の5,000mベスト記録と安静時の〔N_2O〕とは密接な関係(r=0.698〜r=0.842)が認められたが,5,000mベスト記録と安静時のVNO_<max>,VN_2O_<max>,VE_<max>,VO_<2max>およびVO_<2max>/Wとは有意な相関関係は認められなかった。これらの結果から,ヒトの持久性能力(狭義の体力)の指標として安静時における呼気中の亜酸化窒素濃度が示唆された。
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