研究概要 |
本研究は,現在のインターネット等の普及に伴う,(1)ネットワーク利用の多様化,(2)ネットワーク利用ソフトウェアの多様化,を踏まえ,利用者の多種多様なニーズ及びビューに柔軟に対応できるネットワーク,マルチメディア利用ソフトウェアを,利用者自身が容易に開発可能な記述環境を作り上げることを目的としている. 本年度は,前何度で行った,ネットワークおよびマルチメディア利用ソフトウェアをユーザ間のコミュニケーションを取り持つものとしてのメディアという観点から,統一的な概念に基づく分析,実現モデル,記述言語の定式化,記述環境の実装を行った.さらにこの環境上でのネットワークマルチメディアアプリケーションソフトウェアの開発実験を行い,モデル,記述言語の評価を行った. 具体的には,ネットワーク,マルチメディアデータ,それぞれのオブジェクト指向に基づくモデルと,その記述言語を定式化し,それを統合しメディア統合アーキテクチャの実装を行いメディア記述環境を実現した.このメディア環境上でのアプリケーションとして,(1)利用者熟練度に適応し,利用者がその見え方を自由に変更することが出来るユーザインタフェース,(2)人間間のコミュニケーションのダイナミズムに対応した協調作業支援システム,の構築を行った.この構築結果に基づいたメディア記述環境の定量的な評価はまだ行っていないが,定性的な評価としては,当初の目標でもある,(1)マルチメディアアプリケーションの開発の容易化,(2)コミュニケーション支援システム開発の効率化,が達成された.
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