研究課題/領域番号 |
07558212
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
生物有機科学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
赤池 敏宏 東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (30101207)
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研究分担者 |
後藤 光昭 (株)ネーテック, 技術部長(研究職)
丸山 厚 東京工業大学, 生命理工学部, 助手 (40190566)
渡辺 恵史 (渡邊 恵史) 東京工業大学, 生命理工学部, 助手 (40231013)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
1997年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1996年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
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キーワード | 肝臓 / 肝細胞 / バイオミメティック / ガラクトース認識 / アシアロ糖タンパク質モデル / 医薬包接能 / 類洞内皮細胞 / 遺伝子治療 / アシアロ糖タンパク質 / 高分子ミセル / βガラクトース / アシアロ糖タンパク質レセプター / PVLA(ガラクトースポリマー) / ナノパーティクル / β-ガラクトース / アシアロ糖蛋白質 / PVLA / 肝実質細胞 / インテグリンファミリー |
研究概要 |
ドラッグデリバリーやDNA医薬の理想的課題は“必要な場所"に“必要な時"に“必要な量"だけ送達できるインテリジェントなシステムを設計・開発することである。インテリジェンスの基本はまず正確で精度の高い“認織"とりわけ“パターン(トポロジー)認織"にある。そこで本研究では細胞表面を識別する材料をどのように設計すべきかについて,肝臓社会の各種細胞を対象とした特異的認識材料の設計と評価にフォーカスを当てた。 私達は特に細胞の認識に関わる糖脂質や糖蛋白に注目してバイオミメティックスを追求しようと研究を続け肝細胞の特異的な認織を模倣する材料の設計に成功した。それは、ラクトース(ガラクトース-β-1,4-グルコース)をぶら下げた主鎖に親水性の糖側鎖がぶら下がった構造をしている。こういう高分子は水中でミセルを形成する能力を有する高分子界面活性剤といえる。したがって、多くの科学的な医薬(通常、疎水性が高い分子構造を有している)は高分子ミセルの疎水性ドメイン中に包接させることが可能であった。既に臨床応用されている医薬についても同じ現象が確認された。以上の実験結果によりPVLAは医薬包接能を有するアシアロ糖タンパク質モデルとなっており、しかも合成高分子ミセルとして様々な実用上の利点を併せ持ついわばスーパー糖タンパク質モデルであることが判明した。 本研究ではポリリジン(PLL)と細胞特異的認識性を示す様々な多糖鎖をコンジュゲートし、DNAキャリアーとしての評価を行った。分岐構造を有する多糖アラピノガラクタン(AG)とポリリジン(PLL)から、その多糖還元末端の反応を利用し、比較的明確な一次構造を有するコンジュゲートを調整した。そのコンジュゲートはDNAキャリアーとして細胞特異性を向上させる今年を示した。ヒアルロン酸オリゴマーをグラフトしたポリリジン誘導体が静脈注射によりかなり選択的に、類洞内皮細胞に到達することを確認した。送達されたリポーター遺伝子(lac Z)の類洞内皮領域の発現も確認された。 以上の研究を通して、バイオミメティックな糖質高分子の設計により肝臓組織内の思い通りの細胞に分子ミサイルを打込める日も近いと確信している。
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