研究課題/領域番号 |
07558221
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 試験 |
研究分野 |
機能生物化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
茂木 立志 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (90219965)
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研究分担者 |
長村 俊彦 (株)ユニソク, 科学機器開発研究所, 所長
三芳 秀人 京都大学, 農学部, 助教授 (20190829)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1996年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 抗菌剤 / 末端酸化酵素 / キノール酸化酵素 / キノンアナログ / 大腸菌 / 基質酸化部位 / 置換フェノール / 反応機構 / 基質酸化機構 / 耐性変異 / 置換フェノール類 / ユビキノン / 活性評価システム / カプサイシン |
研究概要 |
好気的呼吸鎖のキノール酸化酵素を標的とする特異的抗菌剤の開発と基質酸化機構の解明を目的とした研究を進め、以下の成果を得た。1)キノール酸化部位:基質認識機構を解明するため、系統的に合成したユビキノン誘導体を用いて置換基の効果を検討した。大腸菌チトクロムboとチトクロムbdは、一次構造に全く相同性が無いにも関わらず、共に2-メトキシ基と5-メチル基の認識部位に立体的な制約を持つことが判明した。チトクロムboでは、6-イソプレニル基が結合親和性に関与することを見い出した。2)キノン結合部位:置換フェノールを用いた研究から、チトクロムboの高親和性キノン結合部位(Q_H)は、キノール酸化部位(Q_L)とは異なる認識機構を持つことが判明した。また、阻害剤での再構成実験と還元型酵素と酸素との反応の解析から、Q_Hは分子内電子移動を媒介することが判明した。3)キノール酸化酵素の新規阻害剤:アンチマイシンA、ロテノン、カプサイシンなどの誘導体を合成し、アンチマイシンA誘導体の中に強い阻害活性を示すものが存在することを見い出した。4)抗菌活性と耐性変異:本研究で同定した新規阻害剤の中で、3種類のキノンアナログが大腸菌の好気的増殖を抑制する抗菌剤として使用できることを確立した。更に、チトクロムboの耐性変異株を取得し、その解析を行った。本研究から、チトクロムboではサブユニットIIのQ_Lで2電子酸化が起こり、Q_HはサブユニットIの低スピンヘムに逐次的に1電子伝達を行うのみならず、リザーバーとして電子移動を調節することが示唆された。5)酵素複合体の構造:サブユニットIVの置換変異と復帰変異の解析、架橋実験から、本酵素の構造は土壌細菌のチトクロムc酸化酵素に類似することを明らかにした。また、6Åの反射を示す結晶を得、現在、構造決定のために結晶化条件を検討している。
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