研究分担者 |
黒沢 努 大阪大学, 医学部, 助教授 (60129997)
岩城 隆昌 東京慈恵会医科大学, 助教授 (60167278)
林 良博 東京大学, 農学部, 教授 (90092303)
宇野 広 株式会社高研, 研究開発部, 部長
大和田 一雄 山形大学, 医学部, 助教授 (60101010)
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研究概要 |
医学・生物学研究の重要な手段である動物実験技術ならびに獣医学において必須の各種臨床技術を教育訓練するため,本研究グループは3年計画の研究を発足させた.なお,本研究グループの約半数は,平成2〜4年度の文部省科学研究費(総合A)の交付を受けて教育訓練用ラットならびにウサギのシミュレータ(模型)を開発した経験者であり,そのため,きわめて効率的に研究計画を進めることができた. 研究第1年度である平成7年度では,イヌ模型に付与すべき機能の検討を行い,原形としては成熟した雌ビーグル種のイヌを用い,経口投与(胃内カテーテル挿入),気管挿管,静脈注射ならびに採血,導尿等の技術訓練に利用できることを目標とした.多くの事前討論と,第1次試作品についての徹底的な検討によって,かなり満足できるイヌ模型の第1次試作品を制作することができた.9月に横浜で開催された国際獣医学会に展示し,国内外の獣医師によりそのアイデアと出来ばえの両面で高い評価を受けた. 研究第2年度である平成8年度には,第1次試作品について,経済性を度外視し,できるだけ実物(生きたイヌ)に近づけて現実感をもたせることに努めた.この第2次試作品は,8月に帯広で開かれた日本獣医学会でわが国の代表的な臨床獣医学研究者の意見を質したが,教育の現場に耐えうるという合格点を得た. 研究第3年度である平成9年度では,第2次試作品について,実験用に経済性を加味して品質向上に努め,市販可能な最終試作品を完成させることができた.この最終試作品を用いて,イヌの静脈注射経験がまったくない獣医科大学の2年生を対象として検討を試みたところ,当該イヌ模型が静脈注射技術の教育訓練にきわめて有用であることが確かめられた.ただし,商品性という視点からもう少し改良を加えるべき点があり,市販は平成10年夏ないし秋となる.
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