研究分担者 |
塚脇 純二 (株)津島製作所, 仙台支店, メディカル研究員
鈴木 昇 エーザイ(株), 筑波探索研究所, 主幹研究員
増田 弘毅 秋田大学, 医学部, 教授 (60103462)
仁田 新一 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (90101138)
松本 健郎 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30209639)
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研究概要 |
血液および血管壁における自己蛍光現象を動脈硬化と関連づけて考え,これを動脈硬化の早期診断法として用いるための基礎的検討を行い,以下の結果を得た. 体外に摘出したヒト動脈壁の自己蛍光測定と同時に自己蛍光像を観察し、動脈硬化の病変部位の自己蛍光スペクトルの特徴は正常部位より蛍光ピーク波長が長波長であることと蛍光強度が小さいことを示し、動脈硬化の病変部位と正常部位の自己蛍光スペクトルの間に明確な相違があることを明らかにした. ヒト血奬の自己蛍光測定を行い,動脈硬化症患者および動脈硬化の危険因子を持つ者の特徴は健常者より自己蛍光ピーク波長が短波長であることを示した.また,血漿のリボ蛋白分画とその自己蛍光測定を行い,血漿と各分画の自己蛍光スペクトルの関係を明らかにした.さらに,酸化が血漿およびリボ蛋白分画の自己蛍光スペクトルに及ぼす影響は蛍光ピーク波長の短波長へのシフトであることを示した. モルモット動脈硬化モデルを用いた血漿,白血球,赤血球,の自己蛍光について検討した.血漿の自己蛍光測定を行い,モルモット動脈硬化モデルの血漿の自己蛍光の特徴はヒトの場合と同様にコントロール群より蛍光ピークが短波長であることを明らかにした.また,白血球と赤血球の自己蛍光の観察を行い,コレステロールの負荷により赤血球の自己蛍光が増加することを見いだした.赤血球の自己蛍光物質を特定するため,高速液体クロマトグラフィによる分析を行い,蛍光物質はプロトポルフィリンであることを明らかにした.さらに,動脈壁の脂質沈着面積を測定し,血漿および赤血球および自己蛍光は動脈硬化病変の進行と関係があることを明らかにした.
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