研究課題/領域番号 |
07558247
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 試験 |
研究分野 |
医用生体工学・生体材料学
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研究機関 | 大阪大学 (1996) 東北大学 (1995) |
研究代表者 |
宮崎 純一 大阪大学, 医学部, 教授 (10200156)
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研究分担者 |
竹田 浩明 富士システムズ(株), 研究所, 研究員
大河原 久子 東京女子医科大学, 総合研究所, 講師 (10075468)
赤池 敏宏 東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (30101207)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1996年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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キーワード | バイオハイブリッド型人工膵島 / MIN6細胞 / インスリン分泌 / 糖尿病 / 人工臓器 / グルコーストランスポーター / バイオ人工膵島 / インスリン |
研究概要 |
糖尿病の発症や合併症の予防をなし得る抜本的な治療法として、膵島移植の研究が進められている。この膵島移植に、選択的透過膜を用いて免疫隔離をおこなったものが、バイオハイブリッド型人工膵島である。本研究では、移植膵細胞としてマウスインスリノーマ細胞株MIN6を用いて、拡散chamber内での膵細胞の機能維持を来すための培養基材の検討、免疫隔離膜としての高分子膜の孔径の評価、異種移植の可能性についての検討などを進めた。さらに、高分子化された糖鎖高分子の構造的な違いによる細胞膜の認識性を検討したところ、グルコーストランスポーターIIを持つMIN6細胞は、グルコースを非還元末端糖鎖として持つPVMAと相互作用が高いことが判明し、基質と細胞との相互作用を、糖鎖の種類によって制御出来ることが明らかになった。また、異なるリガンド分子を有したポリマーがMIN6細胞に及ぼす影響について検討した。膵b細胞からのインスリン分泌に重要な役割を果たしているK+チャンネルを制御できる脂溶性薬物スルホニルウレア(SU)を、糖鎖含有ポリスチレン誘導体と共重合させた。インスリン分泌能の高いMIN6細胞は非還元型グルコースとSUをダブルリガンドとして持つ共重合体P(VMA-CO-SU)との相互作用(細胞接着)が強いことが判明した。MIN6細胞に共重合体を様々な手法により接触させ、インスリン分泌能を検討した結果、溶解ポリマーを用いた0次元とゲル内に埋入した3次元の相互作用系でそれぞれ顕著なインスリン分泌促進効果が見出された。よって、P(VMA-CO-SU)は、バイオ人工膵臓のマトリックスとしての応用が期待されることがわかった。このように、拡散chamber型人工膵島の安全性、長期機能維持、異種移植の可能性について、大きな改良を進めることができたことは、バイオハイブリッド型人工膵島の実現化に大きく貢献するものである。
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