研究課題/領域番号 |
07558250
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 試験 |
研究分野 |
医用生体工学・生体材料学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
吉村 昌弘 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 教授 (10016826)
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研究分担者 |
岡本 健吾 三菱マテリアル(株), 中央研究所, 研究員
黒沢 尚 東京逓信病院, 整形外科, 部長(研究職)
井奥 洪二 山口大学, 工学部, 助教授 (60212726)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 水酸アパタイト / リン酸カルシウム / アパタイト複合体 / 生体親和性 / 破壊靭性 / ウィスカ- / 人工骨 / 破壊靱性 / 水熱合成 / 複合材料 / 生体活性セラミックス / リン酸三カルシウム |
研究概要 |
整形外科領域において人工材料の使用頻度は年々増加している。ところが、臨床報告の蓄積に伴って、生体材料から受ける様々な問題点が明らかになってきた。特に、長期間使用した場合の問題点は、生体骨と材料との界面に生ずるゆがみ(ルーズニング)である。ルーズニングの原因は、(1)材料と生体骨との機械的特性(特に靭性)の違いが大きすぎること、(2)材料と生体骨との結合界面に柔軟性が乏しく、応力集中を受けることにある。本研究の目的は、ルーズニングを起こさない人工材料を開発することにある。そのためには、(1)と(2)を解決した高度な複合材料を作製する必要がある。従って本研究では生体骨の無機主成分である水酸アパタイト(Ca10(PO4)6(OH)2:HA)を主成分とした複合材料の試作、特性の評価および動物実験を行った。 1.水酸アパタイトの構造相転移 精密に合成された化学量論比の水酸アパタイトはX線回析、熱分析などにより473-473Kに、単斜⇔六方の可逆的転移を示すことが分かった。 2.水酸アパタイトウィスカ-の開発 Ca(OH)2j、H3PO4および乳酸などのキレート剤を加えた溶液を200℃飽和水蒸気圧下で水熱処理することにより長さ30-50μm、太さ1-10μmの形状、組成のそろったウィスカ-を作製した。組成はややCa欠損であったが、これにCaCO3粉末を混ぜて600℃で招請することにより化学量論比(Ca/P=1.67)にする事ができる。 3.水酸アパタイトウィスカ/水酸アパタイト複合体の作製 生体親和性に優れた水酸アパタイト複合体をホットプレスおよびHIPを用いて世界で初めて作製した。破壊靭性は約2倍に向上した。 4.水酸アパタイト/生体活性ガラス複合体 水酸アパタイトと生体活性ガラスの積層により生体親和性のある複合セラミックスを作製した。界面にはβ-NaCaPO4が生成し、そこが弱い結合になることにより、破壊靭性は明らかに向上した。 5.水酸アパタイトあるいはリン酸カルシウム多孔組織のデザインおよび動物実験 生体骨とセラミックスが大きな接触面積を持ち、高度に複合化して一体化するために、水酸アパタイト、リン酸カルシウム(β-TCP)およびそれらの複合した多孔体セラミックスを作り、家兎を用いて骨形成およびセラミックスの吸収挙動を調べた。その結果ポアの大きさと分布、さらに水酸アパタイトとβ-TCPの割合によって骨形成速度を制御することが分かった。
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