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近赤外分光法による食用油脂の過酸化物価の測定法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 07558262
研究種目

試験研究(B)

配分区分補助金
研究分野 家政学
研究機関奈良女子大学

研究代表者

的場 輝佳  奈良女子大学, 生活環境学部, 教授 (10027196)

研究分担者 達林 顕一  (株)ニレコOE事業部, 部長
研究期間 (年度) 1995
研究課題ステータス 完了 (1995年度)
キーワード食用油脂 / 過酸化物価 / 油脂の劣化 / 近赤外分光法 / 非破壊分析
研究概要

近赤外分光法を食用油脂の劣化度の評価に適用するために、過酸化物価(POV)について検討した。過酸化度の異なる6種類の食用油脂のPOVと近赤外吸収スペクトルとの相関関係を解析したところ、2052、2086nmに高い相関が見られた。これらの2波長が油脂のヒドロペルオキシドの生成に由来していると思われる。また、2052nmでは相関係数(R)が正、2086nmでは相関係数(R)が負であった。従って、ヒドロペルオキシド自身の吸収に由来しているのは、2086nmにおけるピークであると思われる。しかも、2086nmのピークは、構造の異なる3種類のヒドロペルオキシド(t-ブチルヒドロペルオキシド、オレイン酸メチルヒドロペルオキシド、リノール酸メチルヒドロペルオキシド)をリノール酸メチルに混合した系でも存在し、POVとの相関も高かったことから、油脂ヒドロペルオキシドに固有のものではなく、ヒドロペルオキシド一般に共通するものであるが明らかとなった。しかし、ヒドロキシドを水素化ホウ素ナトリウムで還元したリノール酸メチルヒドロペルオキシドのスペクトルにも、この波長に近い2080nmにブロードなピークが存在し、その強度はリノール酸メチルヒドロペルオキシドの約1/2であった。これらのことから、2086nmにおけるピークがヒドロペルオキシドのOOH基に由来することが示唆されたが、OH基に影響を受けることは否定できない。しかし、酸化油脂中のヒドロペルオキシドが通常の条件下で還元されることはほとんどなく、ヒドロペルオキシドとヒドロキシドが共存することはないと考えられる。従って、酸化油脂の2086nm付近のピーク強度は、OOH基のみを反映すると言える。
以上の結果から、近赤外分光法による食用油脂の劣化度の測定は、指標にPOVを選択し、Key波長として2086nm付近の吸収を用いることにより、可能であることが示された。本法は操作が迅速、簡便であるという利点を有するため、化学分析法に代わるPOV測定法として、広く用いられることが期待される。

報告書

(1件)
  • 1995 実績報告書

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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