研究分担者 |
佐々木 研一 立教大学, 理学部, 教授 (70022647)
白石 文夫 立教大学, 原子力研究所, 教授 (20062606)
戸村 健児 立教大学, 原子力研究所, 教授 (20062549)
原澤 進 (原沢 進) 立教大学, 原子力研究所, 教授 (90062546)
松浦 辰男 立教大学, 原子力研究所, 名誉教授 (00062498)
MASUNO Koushiro MASUNO SEISAKUSHO Co.Ltd. PRESIDENT (RESEARCHER)
増野 鋼四郎 (株)増野製作所, 取締役社長
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研究概要 |
立教大学研究用原子炉(トリガII型、100kW)は、燃料破損のトラブルなく運転されてきた.しかし,破損に対する対策を考えておく必要がある.炉心タンク水中に窒素ガスを送気することにより,水中に溶けている核分裂生成物の稀ガスを効率的に追い出すことができることを、今までの研究で確認してきた。 本研究では,立教大学研究用原子炉の燃料の状態を監視するために,炉内に吹き込んだガス(窒素ガス)をサンプリングし,核分裂稀ガス^<89>Kr(半減期3.18分)と^<138>Xe(半減期14.1分)のそれぞれの娘核種^<89>2Rb(半減期15.2分)と^<138>Cs(半減期32.2分)を水に吸着させてその放射能を最も感度よく測定するものである。窒素ガス送気によるこれらの核種の炉心タンク水中からの抽出・測定といった一連の操作を自動的に行なわせるための燃料監視装置を試作する事を目的としている。実際には,炉内に吹き込んだ窒素ガスをサンプリングし,一定時間(約20分)放置後,水で振って窒素ガス中に含まれた放射性稀ガスの壊変で生じた放射性核種を洗い出し,水の放射能を測定し,記録させるまでの一連の操作を一定時間間隔(可変)で一日数回全自動的に行わせる装置を開発し試作した。 本年度は昨年度に引き続き、自動気体捕集試料調整装置(気体捕集部・試料搬送部・試料測定部)の機械装置部のスムーズな動作の調整と一連の操作を行った。自動的に動かすためのコンピュータと連動する放射線測定機器との制御法を改良した。ガンマ線測定器(ゲルマニウム検出器)とその測定回路系と「マルチチャンネルアナライザー」を用いて,一連の動作による,試料からのガンマ線データを採取した。原子炉室に検出器を置いているため,運転中の測定には^<41>Arが重なり,バックグラウンドグラウンドが高くなったため、当初予定してた以上に検出器の遮蔽を強化した。それでもなお^<89>Rb(1.032MeV)よりも高いエネルギーを持つ^<138>Cs(1.438MeV)に有効であった。この装置の一連の動作は良好であり、原子炉燃料自動監視装置として実用化にむけての第一歩を刻んだ。
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