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カントおよび現代哲学における「内」と「外」の相関概念に関する理論的・歴史的研究

研究課題

研究課題/領域番号 07610010
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 哲学
研究機関南山大学

研究代表者

加藤 泰史  南山大学, 文学部, 教授 (90183780)

研究期間 (年度) 1995 – 1997
研究課題ステータス 完了 (1997年度)
配分額 *注記
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1997年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1996年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1995年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
キーワード人格 / 相互承認 / 他者 / 批判的公共性 / 理性の公的使用 / 相互人格性 / 嘘 / 大学 / 公論の空間 / 理性の公共化 / 真理の外的試金石 / 観念論論駁 / 転移理論 / 他者問題
研究概要

1.本年度は三カ年にわたる本研究の最終年度であるので、これまでに収集できなかった研究文献の調査・収集を急ぐと同時に、それらのうち重要な文献についてはこれまでに整備したパソコン環境を使ってデータ・ベース化しながら、カントのテクスト分析に利用した。
2.収集した現代哲学関係の文献の中ではフランクフルト学派のアクセル・ホネットの「相互主観性理論」=「相互承認論」が最も興味深くかつ重要と思われたので、その論点を批判的に解析して「相互承認論」の構造的特徴とその問題点を整理した。ホネットの承認論は、「《他者による承認》にもとづいて人格のアンデンティティーが確立されること」と「《承認》をめぐる闘争」といった両義的な議論として特徴づけることができる。というのも、後者の論点にしたがえば、《他者による承認》以前に《他者による承認》をもとめて闘争する人格的主体がすでに立ち上がっていなければならないからである。こうした問題意識のもとでカントのテクストを分析した結果、カントが『道徳形而上学の基礎づけ』『実践理性批判』などのテクストにおいて「人格」としてテーマ化している問題がきわめてユニークな意味を持つことがわかり、そのことを通してカントの「内」という概念に新しい分析を加える可能性が示された。
3.また、カントの『学部の争い』の議論をハ-バマスなどのコミュニケーション理論と重ねて読み解くことを通して、カントの構想する「大学空間」をハ-バマスなどによって展開されてきた「批判的公共性」の具体的空間として位置づけることが可能となり、このことによってカントの「外」という概念に新しい分析を加える可能性が示されたといえる。

報告書

(4件)
  • 1997 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 1996 実績報告書
  • 1995 実績報告書
  • 研究成果

    (12件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (12件)

  • [文献書誌] 加藤 泰史: "「超越論的人間学」の構想と「理性の公共化」の問題" 人間存在論. 第3号. 527-538 (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1997 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 加藤 泰史: "“Kant in der Diskussion der Moderne"と現代カント研究" ヘーゲル哲学研究. 第3号. 90-93 (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1997 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 加藤 泰史: "坂部 恵ほか編『カント辞典』" 弘文堂, 701 (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1997 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 加藤 泰史: "金子晴勇編『人間学-その歴史と射程-』" 創文社, 231 (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1997 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Yasushi Kato: "G.Schoenrich und Y.Kato(Hg.)Kant in der Diskussion der Moderne" Suhrkamp Verlag(Frankfurtam Main), 590 (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1997 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Yasushi Kato: "Kant's Project of Transcendental Anthropology and the Problem of the Becoming Public of Reason" Menschenontologie. Vol.3. 527-538 (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1997 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Yasushi Kato: ""Kant in der Diskussion der Moderne"and the Contemporary German Philosophy" Studien zu Hegels Philosphie. vol.3. 90-93 (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1997 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Yasushi Kato: "Interrsse", "Diskursethik" Megumi Sakabe et al (Ed.). A Dictionary of Immanuel Kant, 701 (80-82 and 376-377) (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1997 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Yasushi Kato: Philosophical Anthropology of the Enlighentment Haruo Kaneko (Ed.). Philosopical Anthropology, 231 (72-86) (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1997 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Yasushi Kato: Foreword Gerhard Schoenrich und Yasushi Kato (Hg.) Kant in der Diskussion der Moderne. Suhrkamp Verlag (Frankfurt am Main), 590 (9-10) (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1997 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 加藤 泰史: ""Kant in der Diskussion der Moderne"と現代カント研究" ヘーゲル哲学研究. 第3号. 90-93 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] 加藤泰史 ほか: "カント事典" 弘文堂, 701 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書

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公開日: 1995-04-01   更新日: 2016-04-21  

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