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16世紀スペインの霊性におけるキリスト教的人間実存の探求

研究課題

研究課題/領域番号 07610044
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 思想史
研究機関ノートルダム清心女子大学

研究代表者

須沢 かおり  ノートルダム清心女子大学, 文学部, 助教授 (50171195)

研究期間 (年度) 1995
研究課題ステータス 完了 (1995年度)
配分額 *注記
800千円 (直接経費: 800千円)
1995年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
キーワード神秘思想 / 霊性 / 祈り / イグナチオ・デ・ロヨラ / アビラのテレサ / ルドルフ・フォン・ザクセン
研究概要

1.16世紀スペインの霊性を育んだ思想的土壌、霊性の潮流の根底をなすものについて、資料的分析をした。その結果、中世末期のヨーロッパ中央部、ラインラント・フランドルの神秘思想が、16世紀スペインの霊性に大きな影響を与えていることがわかった。そこで、14世紀のドイツの神秘思想家、ルドルフ・フォン・ザクセンの代表的著作である『キリストの生涯』が、近代、特に16世紀のスペインの霊性に与えた影響について研究し、上智大学中世思想研究所が今年度中に出版予定の『14世紀における近世哲学の基礎づけ』という書物に「ルドルフ・フォン・ザクセンの霊性とその近代への影響」という論文を発表した。
2.ルドルフ・フォン・ザクセンの『キリストの生涯』は、ロヨラのイグナチオの回心の引き金となった書物であるばかりでなく、彼の霊的実践の書、『霊操』が生まれる最も重要で、直接的な源泉資料であることをが判明した。それは、実存的に、人間のもつあらゆる諸能力を用いて行われる祈りの方法は、すでにルドルフに色濃く見られるものである。また、キリスト中心的で、神との個人的で、実存的な関わりを重視する16世紀スペインの霊性は、近代の霊性の中心的な位置を占めるようになった。近代の霊性は、古代・中世のキリスト教神秘主義の伝統に連なり、そこから新しい洞察を経て、展開していったことを資料的分析を通して論究した。
3.16世紀スペインを代表する聖イグナチオとアビラの聖テレサは、ともにルドルフ・フォン・ザクセンの著作に親しんでいたこともあり、両者の霊性には共通点が見られる。人間の魂の歩みを、罪からの解放と魂の浄化、そしてキリストとの人格的な交わりと照らし、さらに神との一致へと向かうものとして、理解している。両者の霊性比較については、近く単行本として、その成果を発表することになっている。

報告書

(1件)
  • 1995 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 須沢かおり: "『14世紀における近世哲学の基礎づけ』" 平凡社, (1996)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] 須沢かおり: "『ロヨラの聖イグナチオとアビラの聖テレサの霊性比較』" 新世社, (1996)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書

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公開日: 1995-04-01   更新日: 2016-04-21  

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