研究課題/領域番号 |
07610055
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
美術史
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
木俣 元一 名古屋大学, 文学部, 助教授 (00195348)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1996年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1995年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | ステンド・グラス / シャルトル大聖堂 / キリスト教美術 / ゴシック様式 / たとえ話 / レトリック / 物語叙述 / イメージ / 譬え話 / 放蕩息子 |
研究概要 |
1.図版資料の作成に関しては、それぞれの窓の重要な部分を拡大してデュプリケイトする作業を終了し、整理を行った。 2.《放蕩息子の譬え話》の窓を中心に取り上げ、その研究成果の一部を刊行した。また、そこでは言及できなかった点を中心に研究成果報告を印刷した。これらにおいて以下の点に関する考察を展開した。(1)キリスト教の宗教的実践において譬え話がコミュニケーションの手段として積極的に活用されてきた歴史を確認し、ステンド・グラスなどの視覚的メディアにおける譬え話の役割について考えた。(2)譬え話の視覚的表現において、とくに旧約聖書と新約聖書の事象を対応させるタイポロジーの分野で洗練されてきた手法が一種の「レトリック」として利用されている実態について、具体的作品を取り上げなから考察した。(3)ヴォルフガング・ケンプにより、物語の連続性を重視した作品とされたシャルトルのこの主題の窓が、実際には物語を構成する諸要素間の対比生や共通性を明確にし、より有効な物語叙述と的確なメッセージの伝達を意図されていたことを明らかにした。(4)さらに、シャルトルの作品ではグリッド上の鉄枠により物語の連続性を保証し、加えてガラスのレヴェルで描き出される幾何学図形により視覚的レトリックを機能させており、ステンド・グラスという媒材の特質を巧みに利用していることを明らかにした。 3.《よきサマリア人の譬え話》の窓については、研究準備を進めたが考察を十分に発展させることができず、今後の課題として残った。
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