研究課題/領域番号 |
07610072
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験系心理学
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
中原 大一郎 浜松医科大学, 医学部, 教授 (80128389)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1995年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 脳内報酬系 / マイクロダイアリシス / アミノ酸 / 自己刺激 / ラット |
研究概要 |
脳内報酬系における興奮性アミノ酸の役割を調べるために、マイクロダイアリシス法を用いてラットの脳内自己刺激行動に伴うグルタミン酸の変化を測定した。グルタミン酸の測定には、Millanら(1991)と瀧田ら(1995)らのオンライン酵素反応法を用いた。被験体には雄のWistar系ラットを用いた。自己刺激部位は内側前脳束、また脳透析部位は中脳腹側被蓋野、側坐核、あるいは前頭葉内側部とした。術後1週間の回復期間を置いて自己刺激訓練をおこない、典型的な報酬効果を示したラットについて、翌日マイクロダイアリシス実験を実施した。グルタミン酸の変化は、自己刺激行動を遂行する前60分(ベースライン)、遂行中20分、および遂行後60分の合計140分間にわたって観察した。その結果、3部位の透析液中のグルタミン酸濃度は0.5〜5.5μMの範囲にあったが、前頭葉内側部において最も高く、ついで腹側被蓋野、側坐核の順であった。そこで、高濃度の基礎値が得られた前頭葉内側部において自己刺激行動に伴う変化を調べた。前頭葉内側部のグルタミン酸濃度は、自己刺激行動の始まりと共に徐々に増加し、自己刺激終了後10分以内に最大になり(基礎値から2.5±0.8μM(n=4)の増加)、60分以内にベースラインレベルに戻った。また、この反応はテトロドトキシンによって大部分阻害され、神経活動に由来する成分であることが示唆された。以上の自己刺激行動に伴うグルタミン酸のインビボにおける変化は世界で初めての知見であり、脳内報酬系における興奮性アミノ酸(グルタミン酸)の役割を解明するための糸口となることが期待される。抑制性アミノ酸であるGABAの測定は現在進行中である。
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