研究課題/領域番号 |
07610076
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験系心理学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
三浦 利章 大阪大学, 人間科学部, 教授 (00116104)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1996年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
1995年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 注意 / 3次元空間 / 視覚的注意 / 奥行き知覚 / 注意の事前・事後効果 / カ-ナビゲイション / 交通安全 |
研究概要 |
視覚的注意の移動研究はこれまで2次元空間内で検討されてきた。しかし、奥行き距離の異なる対象間でどのように注意の移動、切り替えが行なわれるのかという3次元空間内での問題は検討されていない。この点を明らかにするために、新しい実験手法を開発、適用した。得られた主な結果は、以下の通りである。 1.注意距離よりも近い対象には遠い対象に対してよりも注意は速く働く。 2.予備情報・予期は、2次元平面上での注意事態よりも、奥行き・遠近注意事態で顕著な効果を示す。横方向注意と比較しての奥行き注意の特性、および移動事態と静止事態での奥行き注意の相違がさらに追及すべき課題の一つに挙げられる。 3.移動事態での注意の切り換えは、「遠→近」の方が「近→遠」の切り換えよりも効率よく行なわれる。このことを移動事態における注意移動の"RUBBER BAND METAPHOR"と呼んだ。この特性は、静止状態では示されない。「注意の切り替えの異方性が移動状態が大きく出ること」が見い出された。 これらは、人間の遠近注意移動機構の生態学的妥当性、空間表象の観察者中心性を示す新しい知見である。これらに関連する実際的な問題として、 4.カ-・ナビゲイションの注視前後で前方の危険事象の発見反応時間が、ナビゲイションを使用しない事態に比べ長くなるという、注意転導の事前・事後効果を見いだした(事後効果は少なくとも2秒間は存続する)。
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