研究課題/領域番号 |
07610099
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教育・社会系心理学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
佐藤 公治 北海道大学, 教育学部, 助教授 (60113669)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 対人関係スキル / 社会的相互作用 / 生態学的観察 / 縦断的研究 |
研究概要 |
本研究は、平成5年度より研究を開始している保育園をフィールドにした幼児の遊びの成立・発展過程にみられる社会的相互作用について引き続き縦断データを収集・分析していくことと、他の幼児とうまく相互交渉ができないで孤立している子どもたちに焦点をあてて、彼らの対人的相互交渉の特徴、対人関係スキルなどを明らかにしていくことが目的であった。 平成7年度の研究では、これまで2年間にわたって縦断的観察を行ってきた幼児の年長児になってからの1年間の集団遊びにおける社会的相互作用の過程に観察し、資料収集を行った。同時に、前年までに観察を終えている幼児グループの年中、年長2年間の分析を行った。いずれも集団の中で仲間と上手く相互交渉が出来ない、共同遊びが苦手な子どもを中心にしながらも、広く子どもたちの社会的相互作用の過程を分析していった。そこでは、VTRテープに記録された集団遊びの中の相互作用活動についての会話分析から、マイクロな相互作用過程の分析と、よりマクロなレベルの対人的な関係構造の形成過程を析出していくという方法がとられた。 そこで得られた主な結果は、次のようなものである。(1)仲間と上手く遊べない子どもたちの相互交渉の特徴としては、同じ遊びのテーマやルールを共有していくといった遊びの成立のための前提になっている「社会的交渉」の認識が欠如していることが多い。これは社会的スキルというよりは、遊びやもっと広くはコミュニケーションのメタ・レベルでの知識や経験の不足に帰因するものである。(2)年少の段階では、対人関係ととり方に問題のあった子どもたちも年中、年長という社会的経験を積む中で相互交渉の技能を獲得していっている。(3)個々の子どもの相互交渉も所属している集団の対人関係構造に相当程度規定されてもいた。
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