研究課題/領域番号 |
07610102
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育・社会系心理学
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
神 常雄 岩手大学, 教育学部, 助教授 (30113856)
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研究分担者 |
武田 篤 盛岡市立病院, 言語治療士
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1997年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1996年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
1995年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 難聴 / 助詞 / 統辞機能 / 発達診断 / 格助詞 / 統語方略 |
研究概要 |
研究成果は以下の5点に要約できる。 1. 高度難聴幼児に対する統辞機能形成の可能性は十分に確認された。われわれの指導法によれば、就学前までに授受文の産出・理解まで可能になった。 2. この指導法は、子ども自身の実際的行為を基礎に言語レベルへ徐々に移行させる心内化の原理に基づいており、言語の学習が幼児に導入しやすい。教師用の実践的指導マニュアルとして活用できる。 3. 統辞機能の発達水準を診断するためのテストを作成した。このテストは主格-対象格の関係の理解や授受間係の理解、態の変換の理解等を明らかにするものであるが、検査時間を考慮して簡易テストも試作した. 4. 診断テストの結果、これらの統辞機能は健聴児小学1年でほぼ達成できる水準にある事がわかった。しかし、高度難聴児では小学校高学年から中学生になっても依然として達成できていないことが判明した。その中で、幼児期にわれわれの指導を受けた子どもたちでは、障害の程度が重度であっても、良好であった。 5. 難聴学級在籍の児童に対する教育実験の結果、著しい進歩が見られ、事後テストの結果は満足するものであった。この場合においても、事例の比較の結果、幼児期の指導を受けたもの(授受文や態の変換等の学習は行なっていない)がスムースに学習が進み、成績もよかった。 以上のことから、幼児に対する形成実験の結果から、早期からの特別の指導を体系的に組織することの意義が示され、難聴学級における調査や形成実験の結果から指導マニュアルを早急に準備し、指導を開始する実践的課題が提起される。今後の課題は、難聴生徒の学力・教科学習の可能性とそのための指導方法の開発である。
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