研究課題/領域番号 |
07610118
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育・社会系心理学
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
三橋 美典 福井大学, 教育学部, 助教授 (20157556)
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研究分担者 |
平谷 美智夫 福井県小児療育センター, 小児科, 医長
中村 圭佐 福井大学, 教育学部, 教授 (50020128)
松木 健一 福井大学, 教育学部, 助教授 (10157282)
熊谷 高幸 福井大学, 教育学部, 助教授 (10115298)
梅澤 章男 福井大学, 教育学部, 教授 (70151925)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1997年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1996年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1995年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | LD(学習障害) / 脳機能障害 / 事象関連電位 / SPECT / 視覚認知 / 聴覚認知 / 選択的注意 |
研究概要 |
本研究の目的は、LD児の認知機能の特徴を神経・生理心理学的な観点からとらえ、心理検査や課題遂行時の行動特徴などから推定される認知障害と、神経・生理学的指標から推定される脳機能障害との対応性を検討することにある。3ヶ年の研究経過を通じて、多くのLD児に共通した特徴として、以下の点が明らかとなった。 1.脳波、SPECTからみた脳血流量、尿検査からみたホルモン分泌量など、脳機能検査から見た生理的側面では、大脳新皮質(とくに前頭葉)と同様もしくは、それ以上に基底核や視床下部などの大脳基底領域の異常が認められる児童が多いことが明らかとなり、近年報告されている自閉症などとの関連性が示唆された。 2.文字抹消、系列記憶、文字や表情の弁別など、認知課題実験から見た行動的側面では、知的に高い児童でも、課題遂行成績が健常児と比べて低い傾向にあるだけでなく、課題と無関連な刺激情報に対する注意転導性が著しく、LD児における注意過程などの基本的認知機能に障害があることが明らかとなった。 3.最も重要な知見は、認知課題場面における課題成績と生理指標の結果が必ずしも対応しない点であり、認知や注意に関係した事象関連電位成分が健常児より出現率の低い児童が多く、しかも各人の課題成績から予想されるより低いことが明らかとなった。従って、LD児の多くは脳機能障害の存在が強く示唆されるが、その症状と認知障害の内容や各児童の症状タイプとは必ずしも対応しないことが明らかとなった。 4.ただし、これらの特徴は必ずしも固定的ではなく、中枢刺激剤による薬物効果や、課題の繰り返しによる学習効果が殆どの対象児に見られ、治療教育の可能性と今後の診断・療育体制の方向性が示唆された。
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