研究課題/領域番号 |
07610127
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育・社会系心理学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
山口 裕幸 岡山大学, 文学部, 助教授 (50243449)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1997年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1996年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1995年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 創造性 / 集団意思決定 / 問題解決 / コミュニケーション / 知的葛藤 / メンバーの多様性 / 集団過程 / 認知的葛藤 / 成員多様性 / 集団意志決定 / 構造化 / 異質性 / 評価懸念 |
研究概要 |
本研究は、集団創造性を促進する条件について、社会心理学的観点から明らかにすることをめざした。最初に、創造的集団意思決定のプロセス・モデルを提示し、その枠組みのもとで、集団創造性の基底プロセスとして、創造的アイディアの“発想・生成"の段階に焦点を当てることを明確にした。次に、関連する先行研究をレビューして、集団過程そのものに、創造的なアイディアの発想・生成を抑制する機能があることを見いだした。続いて、抑制要因をさらに詳細に明らかにして、その克服方略を考えることが、集団創造性を促進する現実的で有効な道筋であることを指摘した。 以上の議論に基づいて、一連の実験を行った結果、集団創造性研究にとって貴重で新たな実証的知見を得た。それは、(1)メンバー間のコミュニケーションの構造化およびメンバーの等質性が、集団創造性を阻害する影響をもたらすこと、(2)多様な意見の交流は、敵意のようなネガティブな感情的葛藤よりも、創造的アイディアの閃きを刺激する知的葛藤を引き起こして、集団創造性を促進する影響をもたらすこと、(3)成果の報告先や他メンバーの知識量などの課題遂行環境に関するメタ知識は、抑制・促進の両面で重要な影響をもたらすこと等、であった。 最後に、今後の研究の展望として、第一に、集団創造性の促進のためには、グループ・エンジニアリング的アプローチと、集団過程に関する社会心理学的研究とを、有機的にリンクさせていくことが不可欠であることを指摘した。さらに第二には、異質なメンバーが相互作用したときに、敵意よりも知的葛藤の方を優勢に引き起こすのは、いかなる要因であるのか、さらに詳細な検討を行うことが、集団創造性研究にとって意味のある課題であることを指摘した。
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