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仕事と家庭のインターフェイスの検討-対人関係の道具性と情緒性のバランスに着目して-

研究課題

研究課題/領域番号 07610130
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 教育・社会系心理学
研究機関広島大学

研究代表者

浦 光博  広島大学, 総合科学部, 助教授 (90231183)

研究期間 (年度) 1995 – 1996
研究課題ステータス 完了 (1996年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1996年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1995年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
キーワード対人関係 / ソーシャル・サポート / 対人的葛藤 / 職場 / 家庭 / 適応 / バーンアウト / 健康
研究概要

昨年度と本年度の2カ年にわたって、3種類の研究を行った。
第1研究は、大学への新入生を対象にした縦断的デザインによる、3度にわたる調査研究である。これは、大学新入生が入学後の新たな環境に適応してゆく過程で、家族との対人関係と友人との対人関係とが、それぞれどのような役割を果たすかを検討することを目的とするものである。この研究は、3つの下位研究からなり、それぞれで次のことが明らかになった。第1に、対人関係の否定的側面の影響は、適応の初期段階において大きく、逆に対人関係の肯定的側面の影響は適応の中期から後期段階において大きくなった。第2に、養育者との対人関係が初期適応に及ぼしていた効果は、時の経過とともに大学での友人関係に移行してゆくことが明らかとなった。第3に、この移行過程は、過保護な養育を受けた学生ではスムーズに進まず、またそのような学生は、友人関係における否定性と肯定性とを独立したものとは認識しにくいことが明らかとなった。
第2研究では、男性の社会人を対象として、対人関係の質と健康との関連についての調査を行った。この調査では、対人関係と健康との関係のあり方が、個人のもつ性役割態度によって異なることが明らかとなった。伝統的な性役割態度をもつ男性は、平等主義的な性役割態度をもつ男性と比較して、職場での葛藤が職場以外の生活領域に浸食しやすく、また職場での対人関係が健康と密接に関連することが分かった。これに対して平等主義的な性役割態度をもつ男性は、職場以外の生活領域での対人関係が健康に影響しやすく、そこでのサポ-ティブな関係は健康を維持、促進するのに対して、葛藤的な関係は健康を損なうことが示された。
第3研究では、看護婦のバーンアウトと一般的不健康に及ぼす、職場と職場以外の生活領域での対人関係の影響を調べるため、縦断的デザインによって2度にわたる調査を行った。その結果、次の3点が明らかにされた。第1に、バーンアウトは、職場での対人関係の影響を受けやすく、一般的不健康は、職場以外の領域での対人関係の影響を受けやすいことが明らかとなった。第2に、職場以外での対人関係が良好な者では、職場の対人関係がバーンアウトの軽減に及ぼす影響が大きく、職場以外での対人関係が良好でない者では、逆に、バーンアウト傾向が職場の対人関係の悪化に及ぼす影響が大きいことが明らかとなった。第3に、バーンアウト傾向の高まりは、職場以外での対人関係に対しても悪影響を及ぼすことが明らかにされた。
以上の研究結果から次のことが明らかになったといえる。第1に、家族関係が社会情緒的な関係性の基盤として重要な役割を果たす。第2に、家族関係を基盤とする社会情緒的な関係性が、職場での対人関係が適応に及ぼす効果にとって調整変数としての役割を果たす。第3に、職場での不適応が、職場以外での対人関係を悪化させることを通じて、全体的な生活の質の低下につながる可能性があることである。

報告書

(3件)
  • 1996 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 1995 実績報告書

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公開日: 1995-04-01   更新日: 2016-04-21  

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