研究課題/領域番号 |
07610170
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会学(含社会福祉関係)
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
松井 克浩 新潟大学, 人文学部, 助教授 (50238929)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1996年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 農業後継者 / 仲間集団 / 農業生産組織 / 農民意識 / 兼業化 |
研究概要 |
本研究では、新潟県頸城地方および山形県庄内地方を対象地として、農業後継者集団の形成と展開について、現地調査にもとづく事例の提示と考察を行ってきた。昨今の厳しい農業情勢のもとで、農業の担い手の確保・維持はどうすれば可能になるのか。この問いに農業後継者集団がもつ意味、という点からアプローチした。 その結果得られたことは、職業として農業を選択するという自己了解と、意欲をもって農業に取り組む方向づけが形成されるさいには、同世代の「仲間」との結びつきが大きな意味をもつ、ということである。かつては集落のなかで、同世代の後継者集団が自然に形成された。しかし、兼業化が深化するなかでは、集落や地域に「点在」する農業後継者たちを横に結びつける仲間集団を意図的に形成していくことが、彼らを支え育むための重要な条件となるのである。 新潟県柿崎町の農業後継者集団「いぶきの会」の事例では、それぞれの時代のメンバーの欲求や農業情勢の変化に対応した組織のあり方の柔軟な変容がみられた。それによって、この組織が20年にも渡って若い農業者を支え、励まし続けることが可能になったのである。山形県庄内地方でも、1950年代から後継者集団の活発な活動がみられ、地域農業の新たな展開を支え支えてきた。こうした活動は兼業化の進行にともない衰退してきたが、少数の後継者たちを中心に近年新たな集団形成がみられた。今後の展開が注目される。 本研究で残された課題としては、後継者集団に参加している農業青年とそれぞれが属する「家」との関係、および集落や地域社会の構造との関係があげられる。これらの点を究明し、後継者集団のもつ意味の把握をより立体的なものにしていく必要があるだろう。
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