(1)各州における教員・校長の免許資格要件、特に最初に発行される免許状の有効期間と初任者研修の対応関係、初任者研修終了後に発行される免許状の性格(更新制・上進制の有無と現職研修の対応)等について分析を行った。 (2)教員・校長の免許資格と連結した初任者研修内容(特に学校内における履修内容)、指導教員・指導校長の措置・力量、校内での指導体制、新任教員・校長の職務遂行能力の評価方式、受講者の研修効果意識等の実態を検討した。 (3)更に、「校長免許資格と初任者研修」の対応について先駆的な州といわれているケンタッキー州、ルイジアナ州については、新任校長(教頭含む)に対する初任者研修(Intern)プログラムの特質について若干事例的分析を試みることができた。 (4)以上の研究成果について、わが国における初任者研修制度の実態との若干比較した。私が研修プロジェクトでまとめたわが国の初任者研修制度の課題として、校内における協同的風土づくり、指導教員のあり方、研修負担、個々のニーズ、特性に応じたプログラムのあり方等について比較することができた。 (5)今後の課題として、わが国でも今日、教職経験等に応じた適切な内容・方法による研修の体系的整備の必要性が指摘されているのも事実である。 このようなことから、日本における教職経験者研修の特徴、課題との比較をも念頭に置きつつ、アメリカにおける教職員の免許資格と教職経験者研修の対応関係について、各州教育当局における教職員免許規定、研修プログラム等の入手により、体系的に探求することが残されている。
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